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業界動向 2018.08.20

「コミケ会場でサークル名が空中に浮かぶメガネ」実現、プレミアム級VRヘッドセット「StarVR One」など – 週間振り返りVR/AR/MRニュース

先週はHoloLensやStarVR Oneなど、デバイスに関連するニュースが話題になりました。東京ビッグサイトで開催されたコミックマーケット94にて、マイクロソフトのMRデバイス「HoloLens」を用いた実証実験が開始されています。HoloLensを使うことで、会場内でサークルの番号や名前などが空中に表示され、自分の探しているサークルが見つけやすくなるようです。

また先週発表されたVRヘッドセット「StarVR One」は、水平視野角210度と視線追跡機能を持つハイエンドなVRヘッドセットです。VR施設やアーケードでも利用されている、開発者版のStarVRから、リフレッシュレートの向上などの改良がなされています。

本記事では、先週Mogura VRで掲載したニュースから注目記事をピックアップ。VR/AR/MRの「いま」を、皆さんにギュッと縮めてお届けします。

「コミケ会場でサークル名が空中に浮かぶメガネ」HoloLensで実現

8月10日から12日に東京ビッグサイトで開催されたコミックマーケット94(C94)にて、株式会社ホロラボとサークルドットエムエスは、マイクロソフトのMRデバイスHoloLensを用いたWebカタログの実証実験を開始しました。

専用のアプリをHoloLensにインストール、使用することで、机の島名や近くのサークルのスペース番号、サークル名、説明などが自動的に表示されます。これにより、探しているサークルを素早く見つけることができます。

このアプリを開発したのは、ホロラボ社の「コミケが好きな有志」とのこと。現在はまだ机のサイズや並び、間隔を実測してデータを調整している状態ですが、将来的にはより高い精度と表示機能を備えた状態になるものと思われます。

https://www.moguravr.com/comiket-hololens/

視野角210度、視線追跡 プレミアムな法人向けVRヘッドセット「StarVR ONE」登場

台湾のStarVR社は、8月12日よりバンクーバーで開催されたSIGGRAPHにて、水平視野角210度を誇るVRヘッドセットStarVRの新型モデル「StarVR ONE」を発表しました。

StarVR ONEは、IMAXのVR施設やSEGAのアーケードで利用されているStarVRの製品版で、水平視野角210度という広大な視野角が特長です。

エンタープライズ向けの展開を想定しており、VRアーケードなどの施設型VRと法人でのB2Bの利用を目指しています。リフレッシュレートなどの性能向上に加えてアイトラッキング機能の搭載などが明らかにされた他、HTC ViveのトラッキングシステムであるLighthouseに対応、OpenVR対応によるUnityでの開発のサポートなどが発表されています。

StarVR ONEに搭載されているTobii社のアイトラッキングシステムは、視線追跡を使用して視ている箇所の解像度を上げて描画能力を高めるフォービエイテッド・レンダリングに使用されます。さらに個人差のある瞳孔間距離(IPD)調整を自動に行います。また、アイトラッキングで得られた眼球の動きなどユーザの視線情報を取得できることで、商業活用や、インタラクティブ体験の改善に活用できるとしています。

https://www.moguravr.com/starvrone-announce/

実写並のリアルタイムCGを可能に NVIDIAが次世代GPUアーキテクチャ「Turing」発表

NVIDIAは、カナダ・バンクーバーで開催中のSIGGRAPH2018(シーグラフ)にて、同社が開発する次世代GPUアーキテクチャ「Turing」を発表しました。NVIDIAは「Turing」は前世代のPascalアーキテクチャと比べて6倍の描画性能を誇るとしています。

Turingアーキテクチャに対応するGPUの新モデルは、プロフェッショナル向けのQuadroシリーズから登場。RTX8000、RTX6000、RTX5000の3モデルが合わせて発表されています。1台のGPUで、フォトリアルなレベルのCGがリアルタイムで描画可能になります。

Quadro RTXシリーズは、Turing世代のGPUで可能になるリアルタイムレイトレーシング(Real-time Ray Tracing)を実現する世界初のGPUとなります。

リアルタイムレイトレーシングは、反射などを含めた光と影の表現やインタラクションを実現する技術です。実写と見分けがつかないようなフォトリアルな描画が、ゲームやVRなどリアルタイムのCGでも実現することになります。

https://www.moguravr.com/nvidia-turing-siggraph-2018/

VRChatに「電脳コイル」や「.hack//」を思わせるワールドが登場

今年3月に300万ダウンロードを達成するなど、ソーシャルVRの中でも高い人気を誇る「VRChat」に、「VR/AR(が当たり前となった世界)を描いたアニメ・ゲーム作品」として知られる「電脳コイル」そして「.hack//」のような雰囲気を持ったワールドが公開され、話題を集めています。

このVRChatのワールドは、文字化けを意識して「@#%a陀&街」と名付けられています。下から浮かび上がってくるテクスチャの破片や画面上の走査線、空中から下りてくる0と1の文字列など、「.hack//」シリーズに登場する「ネットスラム」や、「電脳コイル」の夢の中のシーンを思わせるワールドとなっています。ワールドでは不穏なアナウンスやどことなく不気味な、しかし懐かしさもある効果音などが終始流れています。

このワールドを制作したのはバーチャルYouTuber(VTuber)のリリス・リリーホワイト氏。これらの特徴的な表現は主にUnityアセットストアの「Digital Environment Effects」を用いて作成したとのこと。

このワールドは「電脳コイル」の監督を務めた磯光雄氏や、「.hack//」シリーズを制作する株式会社サイバーコネクトツーの代表取締役社長・松山洋氏のもとまで拡散されるほどになりました。

https://www.moguravr.com/vrchat-10/


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