Valveの創業者ゲイブ・ニューウェル氏が設立した神経科学企業Starfish Neuroscienceが、2025年後半に初のカスタム脳チップをリリースする計画を明らかにしました。このチップは脳コンピュータインターフェース(BCI)として、「2×4mmのサイズで1.1mWという超低消費電力を実現する」としています。医療分野への応用が期待されています。
Starfish Neuroscienceは、世界最大のPCゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveの創業者・ゲイブ・ニューウェル氏によって設立された企業です。脳と身体をつなぐ、負担が少ない低侵襲技術の開発を目指し、神経疾患の治療や、TMS(経頭蓋磁気刺激)装置の改良、がん治療に向けた熱制御技術など、幅広い研究を行っています。
同社は、幅広いアプローチで神経科学の応用を追求。実験レベルの技術を現実世界で実用化することに注力し、現在の技術を超えるソリューションの開発に取り組んでいます。
今回、リリースが発表された開発中のカスタム脳チップは、ベルギーの研究機関imecと連携して設計されています。従来の脳コンピュータインターフェース(BCI)機器は消費電力が高く、大型であったのに対し、同社のチップは1.1mWという非常に低い消費電力と、2×4mmという小型サイズを両立しています。
このチップは32の電極から神経信号を取得。リアルタイムでデータを処理し、帯域の狭い無線通信でも動作可能な設計になっています。製造には台湾の半導体メーカーTSMCの55nmプロセスが採用されているとのことです。
総じて、完全ワイヤレスでバッテリーを使わない埋め込み型デバイスへの統合を視野に入れた設計となっており、状況に応じて省電力モードやデータ圧縮が行える柔軟性を備えています。
チップの供給は2025年後半を予定しており、現在はワイヤレス給電や通信、埋め込み型インターフェースの開発に取り組む研究者との協力が呼びかけられています。医療分野では、パーキンソン病のような単一領域への介入から一歩進み、複数領域を対象とする新しい治療法の可能性が注目されています。
(参考)Road to VR、Starfish
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