2月8日、MetaはVRフィットネスアプリ「Supernatural」で知られるWithinの買収完了を明らかにしました。本買収は独占禁止法に抵触するおそれがあるとして、米国連邦取引委員会が調査を行っていました。その後、米国連邦取引委員会は裁判所による買収差し止め請求の却下を受け入れ、Metaによる買収を認めました。
VRフィットネスの先駆者的コンテンツ
「Supernatural」は、一体型VRヘッドセット「Meta Quest」シリーズ向けに2020年4月から配信されているVRフィットネスアプリです。有名アーティストの楽曲をBGMに、美しい風景の中でフィットネスが楽しめます。実際にコースを選択し、コーチの指導を受けながら家でワークアウトが可能。ジムと同様に月額課金型のサブスクリプションを採用しています。
2021年年末の買収発表直後から差し止めに
Metaは2021年10月、「Supernatural」の開発元であるVRコンテンツスタジオ「Within」の買収を発表。同スタジオはメタのXR組織であるMeta Reality Labsの傘下で運営されることになる、と公表されていました。
しかし2021年末、米国連邦取引委員会は本買収に関する調査を開始。同委員会は「本買収はVR市場におけるMetaの優位性を拡大する可能性が高い」と言及し、2022年7月には独自調査を行うあいだ、Metaが買収に踏み切れないよう、裁判所に対し差し止め命令の請求を行っていました。
1年3ヶ月ぶりに事態が急展開
その後2023年に入り、裁判所は同委員会の差し止め命令請求を却下。裁判所自ら1週間を期限とした差し止め命令を出しました。この差し止め命令は暫定的なもので、米国連邦取引委員会に上訴する猶予を与える意味があります。しかし6日月曜日、同委員会は裁判所に上訴をしないことを決定し、事実上、本買収の完了を認めました。
米メディアUploadVRの取材に対し、MetaのVP of Play部門担当者は「2月8日本日、Withinのチームを正式にMetaに迎え入れました。我々は、この才能あるグループと協力して、VRフィットネスの未来を実現することを切望しています」とコメントを発表しました。
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