Valveのゲーム配信プラットフォームSteamが行う毎月のハードウェア利用状況に、変化が現れました。“Unknown(デバイス名不明)”とラベリングされたデバイス群が、第三位に躍り出たのです。背景には、2019年5、に新たに発売されたフェイスブックの新型VRヘッドセット「Oculus Rift S」とValveの「Index」があると考えられます。
Steamの利用デバイス調査とは
Steamでは毎月ユーザーへの調査を行い、ゲームを遊んでいるPCのグラフィックボードなどのハードウェア、またOSなどのソフトウェアに関する統計を発表しています。なお調査はSteamでの利用に限るもので、かつSteamユーザーも任意で参加しています。各プラットフォームの公式ストアでの利用数も含まれていないため、市場全体のシェア率を直接推定するには不十分なことに注意が必要です。
2017年からの過去2年間の調査では、Steamで最も使用されるVRヘッドセットはOculus Rift。次いでHTC VIVE、大きく離れてWindows Mixed Realityヘッドセットが3位という状況が続いてきました。
“Unknown”が3位へ躍進
2019年7月、Windows MRヘッドセットと同率で利用割合が3位となったのは、“Unknown”でまとめられたデバイスのグループでした。背景として考えられるのは、5月以降相次いでリリースされた新デバイス「Oculus Rift S」とValveの「Index」です。
この2モデルはまだ調査に独立した選択肢として掲載されておらず、“Unknown”に含まれている模様です。いずれも好調な売れ行きで、結果的に“Unknown”の割合を押し上げたと考えられます。
VRユーザーは増えたのか?
ただしこの調査結果が、VRヘッドセットユーザー総数が増えたことを示しているわけではありません。今回同時に、Oculus RiftとHTC Viveの利用者の割合は減少。つまり、上位2デバイスの利用者が乗り換えたことで、Rift SやIndexの利用率は上昇したと推察可能です。
実際にOculus RiftとHTC Viveの落ち込みは合計で0.09ポイント、“Unknown”の上昇が0.09ポイントと一致しています。なお“Unknown”がVRヘッドセット全体に占める割合は約10%のことから、SteamのVRユーザー中、約1割がRift SやIndexを使っている、とも解釈できます。
「Oculus Rift S」と「Index」の体験レポートはこちらの記事で紹介しています。Indexは2019年8月現在、日本国内での販売予定は発表されていません。
(参考)UploadVR