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活用事例 2025.01.09

「視力回復効果」を謳うスマートグラスが登場 2025年中の市場投入を目指す

米AR技術開発企業のSolidddが、黄斑変性症の患者向けスマートグラス「SolidddVision」をCES 2025で発表しました。同社によると、このデバイスは2つの前向きカメラと2つの内向きカメラを搭載し、独自の光学技術とソフトウェアを組み合わせることで、視野の中心が見えにくくなる黄斑変性症の患者の視力回復を支援するとしています。2025年中の市場投入を目指します。

SolidddVisionは、通常の眼鏡に近い形状のスマートグラスです。前向きのカメラで外界を撮影し、内向きのカメラで眼球の動きを追跡します。取得した映像は専用のソフトウェアで処理され、網膜の健常な部分に複数の画像を投影することで、立体視を含む視覚体験の実現を目指しています。同社によると、このアプローチにより、従来の視覚補助具とは異なる方法で視力回復を支援できるとしています。

黄斑変性症は、網膜の中心部にある黄斑部が障害される疾患です。日本眼科医会の資料によると、欧米では、中途失明の原因疾患の第2位として深刻な病気であることが以前から知られていました。近年、日本においても、高齢化に伴って患者数が増加しているとのこと。視野の中心部が見えにくくなる、物がゆがんで見えるなどの症状が特徴です。両眼が発症すると、運転免許の更新ができなくなるなど、日常生活に大きな影響が出る可能性があります。


(Soliddd公式ページから引用。症状イメージ図)

ただし、SolidddVisionによる視力回復の効果については、現時点で第三者機関による検証結果は公開されていません。同社は30人規模の臨床試験を実施し、ニューヨークのLighthouse Guildの科学者らが読書能力の50%以上の改善を確認したと報告していますが、詳細なデータや研究手法は明らかにされていません。今後、より大規模な臨床試験の実施と、その結果の公開が期待されます。

Solidddは、ニューヨークに本社を置く光学・視覚技術企業です。15年以上にわたり視覚補助技術の開発に取り組んでいます。3D技術関連の米国特許15件を保有し、これまでにBeresford Ventures、Peaksjah OUなどから総額150万ドルの資金調達を実施。CES 2025では、Consumer Technology AssociationのEureka Park Accessibility Awardを受賞しています。

(参考)Soliddd


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