スコットランドの地方議会にて、地域内の全学校にスマートフォンやPCを使わない一体型のVRヘッドセットを配布することが決定されました。教育のためのVR活用を推進し、VRツアーによって歴史や地理の学習体験をより強化する狙いです。
学習利用のために設計されたヘッドセット
スコットランドの地方議会East Renfrewshire Councilでは、同地域のすべての学校に計900台以上のClassVRヘッドセットを支給するべく、25万ポンド(約3,700万円)の投資を行ったと発表しました。
Avantis Systemsの手がけるClassVRは、生徒の学習利用のために設計された一体型のVRヘッドセットです。スマートフォンを使わずに動作し、前面のカメラで周囲の様子が見える、複数の端末を同時にPCから制御できるなど、学校での利用を想定した機能を備えています。
クアッドコアのARM製CPU Cortex-A17、2ギガバイトのRAMを備え、2560×1440のディスプレイを搭載しています。スペックは最新のゲームを遊ぶには物足りませんが、教育での利用には十分となるよう設計されているとのこと。前面にはカメラを備え、VRだけでなくARのコンテンツも利用することができます。
VRで歴史や地理の理解を深める
ClassVRではイギリスのカリキュラムに合わせた教材コンテンツも提供されており、歴史・地理に関するVRツアー体験、科学を体験するコンテンツなどが利用できます。独自のインターフェースを用い、生徒は頭の動きと手のジェスチャーでコンテンツを操作することができます。
ヘッドセットは、East Renfrewshire Councilの下にある30の学校に配布されます。教師はClassVRの教材を元に授業を計画し、生徒がVR体験をしている間、PCから複数のヘッドセットを同時に制御できます。
VRを用いることで実際には訪れづらい場所を没入的に体験することもでき、VRを活用した授業では生徒の意欲や理解度も上昇するという調査結果もあります。
教育機関向けVRコンテンツでは、Googleの『Expeditions』というアプリも存在します。こちらはスマートフォン向けに一般公開されており、世界中の様々な場所を360度映像で視聴できるようになっています。
(参考) UploadVR