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企業動向 2024.11.22

中国Rokidが新たなスマートグラス「Rokid Glasses」を発表

中国のARグラスおよびグラス型ディスプレイメーカーのRokidは、次世代スマートグラス「Rokid Glasses」を中国・杭州で開催した自社イベントで公開しました。アリババグループのAIアシスタント群を搭載し、Metaのスマートグラス「Ray-Ban Meta」に表示機能が追加されたデバイスとなっている模様です。

「Rokid Glasses」は日常的なデザインと軽量な設計に加え、AIを活用した直感的な機能を特徴としているようです。搭載されたAIは、中国のeコマース大手であるアリババグループの「Tongyi Qianwen AI(Tongyi Tingwu)」。同社の大規模言語モデルである「通義千問(Tongyi Qianwen)」をベースに、物体認識やテキスト翻訳、複雑な数学の問題解決など、多彩なサポート機能を提供し、食事のカロリー計算や、リアルタイムの言語翻訳等にも対応可能とのことです。

また、アリババの金融系AIアシスタント「Zhi Xiaobao」との連携により、音声コマンドで配車サービスやコーヒーの注文など、様々な操作を実現しているといいます。さらに、高度な声紋認識技術を活用したAlipay(注)での決済機能も実装しているようです。(注:アリペイ/支付宝、アリババグループ提供の中国通貨「人民元」でのQRコード決済サービス)

Rokidは2014年の設立以来、グラス型ディスプレイやAR技術の開発・販売をしてきました。同社創業者兼CEOのMisa Zhu氏は、海外メディアへのコメントとして「私たちは、ユーザーエクスペリエンスを再定義し、日常生活に使える世界初のAI+ARメガネをもたらすために新しいメガネを作りました」と語っています。

なお、同社は2024年1月に中国・合肥市の政府主導で5億元(約100億円)の資金調達を実施。海外メディアの当時のインタビューでZhu氏は「中国のエネルギー産業向けに60%以上のシェアを持っている」と述べており、コンシューマー向け製品と産業向け製品の両方で強みを持つ企業として注目を集めています。

「Rokid Jungle 2024」は11月18日に開催され、参加者のみに「Rokid Glasses」が先行披露されました。一部の参加者がredditに投稿した情報によると、Zhu氏は「Rokid Glasses は2025年前半に出荷が開始され、同社は数十万台の販売を目指している。中国国外の市場への流通可能性は未定」「業界が開発者の最高の期待に応える製品、つまり高度な空間コンピューティング、着用性、および電力消費のバランスを実現する製品を開発するには、さらに3〜5年かかる可能性がある」と述べたといいます。

本記事執筆時点の情報をまとめると、以下の通りです。

  • 単色の緑色ディスプレイを両目に備えたスマートグラス
  • 0.13インチのマイクロLEDパネルを使用
  • 解像度は640 x 480
  • 視野角は30度
  • 明るさは1000ニット
  • 重量は49g
  • Snapdragon AR1プロセッサ搭載
  • 写真、動画、視覚検索用のカメラ搭載
  • ゲームやオフィスアプリには非対応
  • バッテリー寿命は4時間程度
  • 価格は2,499元(約53,500円)

(参考)PR Newswire


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