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活用事例 2020.03.25

複数人で入れる“VR手術室”、リモート教育での活用に期待

カナダのスタートアップPrecision OSは、自社で開発中の“VR手術トレーニングツール”にマルチプレイ機能を追加しました。遠隔でも同時に実技を学べるという点は、2020年3月現在、これまでより大きな意味を持っています。

最大5人が同時に体験

Precision OSのVR手術シミュレーションは、VRで病院の手術室を再現するというものです。同社は開発に向け、2018年には230万ドルの資金調達を行っています。

今回のマルチユーザー機能により、互いに離れた場所にいても、同じ手術の執刀をVRで体験することができます。バーチャル手術室に同時に参加可能なアバターは最大で5人。外科医や研修医、そしてデバイスメーカーといった関係者が、場所を問わず協力できるメリットがあります。

コロナウイルスの流行受け、遠隔教育にメリット

新型コロナウイルス感染症が世界的に流行する2020年3月現在、同社のVR手術トレーニングはより大きな意義を持っています。流行拡大を防ぐため、現場に集まっての実技研修の機会は減少。多くの研修医が単独で重要な作業を行うことに不安を感じ、90%以上が追加のフェローシップ期間を選択しているということです。

これに対し、VRであれば実際に人々が集まる必要はありません。効率的なトレーニングを実現し、CEOのDanny P. Goel氏によれば、わずか30分間で300名のデバイス営業者のトレーニングを行ったこともあります。それでいながら、一方的な座学とは異なり双方向の学習が可能で、習熟度を上げることが期待できます。

Precision OSのVR手術トレーニングは、一体型VRヘッドセットOculus Questに対応。感染症の流行を受けリモートでの教育や協業が叫ばれる今、さらに存在感を増していきそうです。

(参考)VRScout
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