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業界動向 2020.06.23

NrealとMagic Leapの訴訟に決着、訴え認められず取り下げへ

MRヘッドセット「Magic Leap 1」を手がけるMagic Leap(マジックリープ)社が、メガネ型MRデバイスを開発するNreal社を告訴した問題に決着がつきました。アメリカ合衆国地方裁判所は、Magic Leapの訴えを棄却。デバイス情報の盗用を認めませんでした。

Nreal社とCEOへ申立

Magic Leapは2019年6月、「元Magic Leapの従業員が、デバイス開発に関する機密情報を漏洩し、自身の設立した中国企業で盗用した」という内容でNreal社とそのCEO、Chi Xu氏に対して申立を行いました。

その後Nrealは12月、カリフォルニア州の連邦地方裁判所に申立書を提出。「Magic Leapの主張は誤りで、却下されるべきである」と正式に反論しています。

訴えをすべて却下

そして発端から1年、アメリカ合衆国北カリフォルニア地方裁判所は、Nrealの申立を支持し、Magic Leapの訴えを全て却下するとの判決を下しました。

判決を受けてXu氏は、以下のような声明を発表しました。
「当社は裁判所の賢明な判断を評価します。我々は当初から、Magic Leapの訴えはメリットのないものだと強く訴えていました。裁判所がMagic Leapの申立を1つ残らず退けたことからも、明白でしょう」

敗訴したMagic Leapの現状は

この判決はMagic Leapにとって厳しい内容であると、メディアVRScoutは論じています。同社は2019年末時点で、MRデバイス「Magic Leap 1」の販売台数が計画を大幅に未達と報じられ、2020年には大規模レイオフ(その後撤回)やCEOロニー・アボヴィッツ氏の退陣を発表しています。資金面での不安定さが指摘される中、Nrealからの賠償金獲得に失敗したことは痛手だ、というものです。

Nreal社は「Nreal Lightによって、コンシューマー向けMR技術を多くの人々に届ける、という当社のビジョンに向かっていきます」と表明。投資家やパートナー企業らからのサポートに感謝の意を示しました。

(参考)VRScout
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