フランスの映画会社MK2は、劇場や博物館などで利用できるプラグアンドプレイのVR設備「MK2 VR Pod」を発表しました。VR体験設備の構築を簡単に行うことができるものです。
MK2 VR PodはVR体験施設を立ち上げようとしている世界中のプロフェッショナルを対象としており、Oculus RiftなどのハイエンドVRを体験するための設備一式を構築できます。
VR体験コーナーを簡単に構築
MK2はフランスの映画界で大きな位置を占めるグループで、日本における東宝グループのような存在です。同社は一年前にも、パリの映画館「MK2 Bibliothèque」に併設する形でVR体験施設をオープンしています。
今回MK2が発表した「MK2 VR Pod」は、同社に「プロフェッショナル向けの、初のプラグアンドプレイVRソリューション」と称されているVR体験設備です。壁かけモニターやプレイエリアを囲うフレーム、ヘッドセットとコントローラーをかけておくフックなどで構成されており、Oculus RiftのようなVRデバイス体験設備を手軽に構築できるようになっています。
すでに本設備はスカンジナビアのNordisk、ブラジルのArvoreといった施設に販売済みで、他にもフランスのNational Public Libraryでの導入や、Nordiskによるサンパウロ、コペンハーゲンへの出展も予定されています。同社は、2018年前半には70機、年末までに200機以上の販売を見込んでいます。
本設備は映画館や博物館、図書館、ショッピングモール、アーケード施設などでの利用が想定されています。一年間におよぶVR施設運営から得たフィードバックをもとに作られており、同社はこの設備を「大衆にVR体験を簡単に提供するためのモジュール」だとしています。
コンテンツと体験施設を繋ぐソリューション
MK2のマネージングディレクターであるElisha Karmitz氏は、「世界最大のVR配給ネットワークを構築する」と、その野望を語っています。
同氏は「VRコンテンツと体験施設をつなぐホワイトラベルソリューションの欠如を埋めるため、MK2 VR Podは最新の技術を提供します。VR体験を取り込むことは映画界の次のステップであり、MK2は質が高く思い出に残る体験を提供するパートナーを目指しています」と、自社製品をアピールしています。
MK2はVR分野の拡大に伴い、ヨーロッパの先駆的映画グループとしての地位を確立してきています。パリに本社を置く同社は100を超える映画を製作し、26以上の映画館で200超のスクリーンを運営、チャップリンやグザヴィエ・ドランなど有名な映画監督の作品を含む800以上の映画を収蔵しています。
MK2のVR設備「MK2 VR Pod」は、こちらの公式サイトから購入することができます。公式サイトでは、同製品の組み立ての様子も動画付きで見ることができます。
(参考) Variety