経済産業省は、複数のメタバースをまたぐNFTの活用について実証事業を実施すると発表しました。本実証事業は、同省の「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」におけるイベント第1弾となります。
知見ある3社が受託
本実証事業は、monoAI technology株式会社、株式会社BeyondConcept、株式会社Synamonが協働して実施します。
monoAI technologyは「XR CLOUD」、Synamonは「SYNMN」、と独自のメタバースプラットフォームを運営しており、BeyondConceptは「Metaani」などNFTを用いたメタバース上でのサービス・商品企画をおこなっています。
メタバースをまたぐイベント開催
実証事業の内容は、メタバースビジネスとNFTビジネスに知見を持つ3社が、実証事業用のメタバースとイベント空間を、BeyondConceptの代表取締役でNFTクリエイターのmekezzo(メケゾー)氏がNFTを作成し、複数のメタバースをまたぐイベントを開催するというもの。
具体的には、「実証実験対象のNFTオブジェクト」を所持するユーザーが、NFTオブジェクトを鍵として、XR CLOUDのMetaaniエリア(BeyondConcept提供)で実施するイベントに参加します。
その後、イベント参加者は、上記のNFTオブジェクトを鍵にSYNMNにおける期間限定の「特設展示スペース」への入場も可能になるといいます。展示スペースに入場後、アンケートに回答したイベント参加者には、実証事業に参加した証明となる特製NFTオブジェクトを進呈するとのことです。
Metaaniエリアで実施されるイベントは、12月12日20時〜21時に30名限定で開催され、クリエイターディスカッションやメタバースの未来に向けたディスカッション等を予定しています。イベントの模様は、12月22日と23日に開催される「XR Kaigi 2022」で録画放送を公開します。
なお、SYNMNの「特設展示スペース」は、12月13日〜19日の期間入場可能で、デジタルアイテムのギャラリーを鑑賞できます。
クリエイターエコノミーの発展へ
経産省は、NFTオブジェクトによる特定イベント空間への入場や、メタバースプラットフォーム間の連携の実証を通じて、データ規格やポリゴン数制限等の技術的課題を整理する方針です。
また、イベント参加者のアンケートを通じて、NFTオブジェクトを会員権としたイベントの在り方やプラットフォーム間の相互運用性などのフィードバックを収集します。
実証事業で得られた課題やフィードバックを踏まえ、クリエイターや一般ユーザーの参加障壁を把握、解決していくことで、メタバースやWeb3.0領域におけるクリエイターエコノミーの発展に向けた施策の検討を進めていく見通しです。
(参考)経済産業省