米企業のMeta社が開発するARヘッドセット『Meta 2』をレンズ越しに覗いた光景を、iPhone6sで撮影した映像が公開。同じ現実に色々なものを投影するくAR/MRデバイスであるHoloLens(Microsoft社)、Magic Leap(Magic Leap社)との各所における相違点が明らかになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=2egoNJNpZKU
VR元年と言われるように、最近ではVRが広く認知されつつある一方、AR技術はその要求される技術レベルの高さ故に、一般的に発売される水準に達するには、もう数年かかると思われてきました。しかし、今回公開されたARヘッドセット『Meta 2』の映像は、そういった認識を変えてしまうほどの驚くべきものでした。
まずHoloLensとMagic Leapでは、レンズ越しに見える映像を撮影するためには特別にセッティングされたカメラを介す必要がありました。(画像はHoloLensの撮影の様子)
しかし『Meta 2』ではそういった特殊な設定や加工をすることなく、他者に映像を見せることができています。さらに、HoloLensのFOV(視野角)が左右40度程度と狭いのに対し、『Meta 2』の視野角は、映像を見る限りではかなり広いことが伺えます。
(白枠で囲まれた部分が表示領域の縁、かなり広い視野角を有している)
また、『Mgic Leap』と『Meta 2』の大きな違いとして、Magic Leapは実際に裸眼で物体を見た時の被写界深度を再現する最新鋭のディスプレイ技術を使用していると思われるため、下のgif画像のように特定の像を注視した際にフォーカスがかかります。『Meta 2』ではディスプレイと反射ガラスを使用して映像を投影しています。
このように自社の独自の技術を駆使することにより、ライバルとの差別化に成功した『Meta 2』。クラウドファンディング等による資金調達を経て開発された同機は果たしてAR業界における最初の覇者となれるのかどうか、熱い視線が注がれています。
現在、Meta社のウェブサイトにはカウントダウンが表示されており、カウンタが0になると同時に『Meta 2』の開発者向けキットの出荷日が発表されるとのこと。また『Meta 2』は、3000ドル(約34万円)で販売されるHololensよりも大幅に安価であると噂されています。
(カウント終了時刻は、日本時間 3月2日 PM 23:00)
今年に入り、各VRデバイスの価格や出荷日が次々と発表されるなど話題となっているVR業界とは裏腹に、未だに世間への認知度は低いAR業界。しかし、業界の専門家は、ARは私たちの働き方を変え、最終的にVR市場の大きさを上回るだろうと予想しています。
それだけに、『Meta 2』の価格とリリース時期の発表は、非常に注目すべき点だと言えるでしょう。
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(参考)
Meta 2’s Through-The-Lens Video Highlights Differences Between HoloLens and Magic Leap(英語)
http://uploadvr.com/meta-2-ar-exclusive-video/
HoloLens: 2.5 Hour Battery Life Under Heavy Use, Limited FoV Confirmed(英語)
http://uploadvr.com/hololens-2-5-hour-battery-life-under-heavy-use-limited-fov-confirmed/