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業界動向 2019.05.15

VR音楽アプリ「MelodyVR」は16億円の赤字、今後はモバイル向けにも注力

2018年にリリースされたVR音楽アプリ「MelodyVR」が、同年に1130万ポンド(約16億円)の赤字を計上していたことが明らかになりました。今回の赤字に伴い、「MelodyVR」はVRに加え、モバイル向け展開を進めることを決定しています。

この情報は同アプリを運営するMelodyVR社の親会社、EVR Holdingsが2019年5月9日に公開した決算報告書から判明したもの。赤字の主な原因は「投資増大の結果」としています。

MelodyVRには多くの著名人が出資しており、世界的な歌手として知られるアデルもその1人です。2018年11月には、Oculusの公式プロモーションにも登場していました。

有名アーティストらのライブをVRで視聴できる音楽アプリ

「MelodyVR」は、VRでの音楽ライブ等が楽しめる無料(※一部コンテンツは有料)のVR音楽アプリです。一体型VRヘッドセットOculus Goなどに対応しており、ラッパーのザ・ストリーツやルディメンタルといった有名アーティストのパフォーマンスを、360度で視聴することができます。

この「MelodyVR」に関係するイベントも開催されており、2018年12月には「MelodyVR」主催で音楽バンドであるワン・ダイレクションのメンバー、リアム・ペインを主役にしたライブイベントが実施されました。同イベントは累計視聴者数127,000人を記録しています(ただし、米メディアUploadVRによると、視聴者の大多数は「Facebook 360 Video」でイベントを視聴したとのこと)。

収益は1億7,000万円ほどに

決算報告書によると、2018年度の「MelodyVR」の収益は120万ポンド(約1億7,000万円)となっています。MelodyVR社は、2018年内に総額で2000万ポンド(約30億円)を資金調し、年度末には1900万ポンド(約27億円)が、現金と現金同等物という形で余剰資金となっていました。同社は、余剰資金は「MelodyVR」の開発と拡張に用いられる予定である、と説明しています。

MelodyVR社は2019年1月、Oculus社の新デバイス(※おそらくOculus Questと思われる)に「MelodyVR」を対応させる計画が発表されていますが、2019年5月現在、この計画が進行中か否かについては不明です。

(参考)UploadVR


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