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活用事例 2021.03.24

遠隔で看護実習、京都光華女子大と南国アールスタジオが実証実験

京都光華女子大学はMR(Mixed Reality)を活用した遠隔会議システムを使い、看護技術演習の実証実験を開始しました。自宅や大学から参加できるオンライン演習を実施、次世代の看護技術の修得を目指します。

昨今の新型コロナウイルスの影響により、看護学生が従来行っていた対面での演習や実習などの学習機会が制限されています。特に注射や採血などの看護技術をはじめ医療技術の修得には、専門の物品を用いた演習が不可欠であるため、コロナ禍でも技術修得ができる、新しい演習方法の開発が必要とされていました。

そんな中、京都光華女子大学はMRソリューションを開発する南国アールスタジオのMR遠隔会議システム「WHITEROOM」を活用。「WHITEROOM」は遠隔地からアバターとして会議に参加でき、3Dモデルや画像、動画などを共有してコミュニケーションできます。HoloLens 2のほか、iPadやiPhone、PCにも対応しており、どのデバイスからも同じ会議に参加可能です。

MR活用で遠隔地からでも対面に近い演習が可能に

今回、京都光華女子大学は学内の実習室をメイン会場として、学生が実習室や自宅などから「WHITEROOM」に参加し、静脈血採血に関する実技演習を行いました。 学生は3Dモデルで表示された採血で使用する物品を動かすことで、自宅にいながら実際の実技をイメージしながら学習ができたとのこと。

また腕の3Dモデル解剖模型を用いて注射器との位置関係を学ぶことで、現実では見えない血管や神経の位置を直感的に理解でき、より実際の場面に沿った議論を進めることもできたとのことです。議論した内容は「WHITEROOM」が自動でテキスト化して保存するため、振り返りの際に、どのような議論が行われたのかを、参加者全員で共有可能です。

そのほか「WHITEROOM」では、参加者の視線や動きなどもアバターに反映されるため、対面に近い状態で演習が実施可能に。これに関し京都光華女子大学は「テレビ会議システムに比べて、生徒同士が積極的に議論を行い、発話の場が活性化されることが確認されました」とコメントしました。

医療教育で広がりつつあるVR/MR活用

今回の事例のように医療教育向けにVR/MRの活用が進んでいます。VRでは国立看護大学が人体の3Dデータを確認できるサービスを事業に導入しているほか、京都大学らは医療用VRトレーニングの無償提供を実施しています。

(参考)南国アールスタジオ株式会社 プレスリリース


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