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プロモ・マーケティング 2019.02.26

判明する新事実 ケロッグとアクセンチュア、マーケティングにVR活用

シリアル食品を販売するケロッグは、戦略コンサルティング会社の米アクセンチュアと共同で、VRを使用したマーケティングリサーチを通じて18%の売り上げ増加を見込んでいることが明らかになりました。

消費者の目線をを測定

アクセンチュアは、VRやARを使用したマーケティングソリューションをXR(Extended Reality)と称し、新しいテクノロジーを使用したマーケティング戦略を推進しています。XRプロジェクトのひとつとして、今回ケロッグの新商品となる「ポップタルトバイト」のVRを活用したマーケティングリサーチが行われました。

リサーチは、VR内の陳列棚に陳列した「ポップタルトバイト」を、購買客がどのように商品を見るかを視線追跡機能を使って計測します。何に一番時間を要し興味を示しているか、データ収集と分析が行われました。これにより、ひとつの商品を見ている時間や、新商品のポップ広告への興味関心、ライバル社の商品と見比べているかなど、今まで計測できなかった行動データの収集に成功しました。

アクセンチュアのイノベーション・マーケット戦略部門のグローバル責任者であるRaffaella Camera氏は、今回のケロッグのリサーチについて次のように語っています。

VRのストア内では、商品の配置や品揃え、ポップ広告を入れ替えることで、購買客にどのような影響を与えるか検証することに優れており、今までよりはるかに容易にリサーチを行うことができます。アイトラッキングを用いたVRと分析技術を組み合わせて、購買客が棚の商品の何をどのように評価しているか計測することで、とても重要なインサイトを得ることができます。その結果、単一商品の売り上げではなく、ブランド全体の売り上げに貢献する陳列を導き出すことが可能となります。

従来のストラテジーとは異なる結果が

今回のリサーチでは、棚の最上段に別ブランドの商品を置いた状態で、以下の2つの状態を比較しました。

1.ポップ広告とともに「ポップタルトバイト」を目線の高さに陳列した場合
2.ポップ広告とともに「ポップタルトバイト」を棚の下段に陳列し、加えて「ポップタルトバイト」関連商品を一緒に並べた場合

収集されたデータによると、1の場合は「ポップタルトバイト」に目線を落とすも、上段に置かれている別ブランドの商品も目線を配っており、2の場合には、「ポップタルトバイト」及び関連商品にのみ費やす時間が多かったという結果となりました。

従来では、目線の高さの陳列は購買客にとって一番効果的な場所であるとされてきましたが、今回のVRを活用したリサーチによって、必ずしも目線の高さが購買意欲を最大限に引き付けることはないという調査結果が出されました。

この度のリサーチでは、クアルコム社製のSnapdragon 845モバイルVRヘッドセットが使用されています。同社のビジネス開発部門の取締役となるPatrick Costello氏は、アクセンチュアのXRについて次のようにコメントしています。

XRは企業が変革するほどの価値を提供します。今回アクセンチュアとケロッグが、VR技術とアイトラッキングを使ったリサーチではたくさんのことを学ぶことができました。私たちは多くの企業が同様の体験をしていくと考えています。

VR/AR技術を用い、今後アクセンチュアの推し進めるXPプロジェクトがどのような成果を出していくのか期待したいところです。

https://www.youtube.com/watch?v=yTNVkIpB28U

(参考)VRScout
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