米国の調査会社International Data Corporation (IDC)が発表した最新の調査結果によると、全世界規模でのVR/AR市場の成長は今後4年間にわたって100%以上の成長率を示すとのことです。特にビジネス領域におけるVR/AR利用の勢いが加速する、としています。
VR/AR市場の年間成長率は100%以上に
調査によると、2017年におけるVR/AR関連支出が全世界規模で114億ドル（約1兆2,000億円）であったのに対し、4年後の2021年には2,150億ドル（約24兆円）にのぼると予測され、年平均成長率は113.2%になります。
2017年で、VR/ARの関連支出が最も大きかったのは米国で、32億ドル（約3,500億円）であり、次いでアジア・太平洋地域（日本は除く）が30億ドル（約3,000億円）、3位は西ヨーロッパ地域で20億ドル（約2,000億円）でした。
予測では、アジア・太平洋地域でのVR/AR関連支出がこれから2年間で急速に成長、米国を追い越すもそのペースは徐々にスローダウンすると同時に、米国でのVR/AR関連支出が増加、2020年には米国が再び首位に躍り出るとの予測がなされています。西ヨーロッパ地域は2021年にはアジア・太平洋地域を追い越して2位にのぼるとのことです。
国別で、2016年から2021年にかけて最も高い成長率を記録するのはカナダで、年平均成長率は145.2%、ついで中央・東欧地域が133.5％、西欧地域では121.2％、そして米国は120.5%の成長率を記録するものと予測されます。
様々な分野にVR/ARが活用
VR/ARを取り入る分野の規模は地域によって異なり、米国とヨーロッパではおもに垂直産業とプロセス産業においてVR/ARが大きく普及し、とくに米国では両者に加えてリテール、建設、輸送やプロ向けサービスなど、幅広い分野にわたってVR/ARが普及するとしています。
アジア・太平洋地域ではリテール、教育においてVR/ARの活用が盛んで、2021年にはヘルスケアにおいてもVR/ARの普及が盛んになるとの予測も出ています。
IDCの副社長兼VR/ARデバイス担当のTom Mainelli氏は「VR/ARはビジネス分野において大きく成長しており、この勢いは今後加速していく」と語っており、スタンドアロン型ヘッドセットなどの次世代デバイスの登場とともに、VR/ARは生産性向上や安全保守、消費者向け体験などに活用されると語っています。
VR/ARに関連する支出は今後5年間にわたって増加
2017年でVR/ARがもっとも活用されたユースケース小売でのショーケースで、関連支出は4億4,200万ドル（約500億円）を記録しました。次いで現場での組み立ておよび安全保守が3億6,200万ドル（約402億円）、製造業でのトレーニングでは3億900万ドル（約343億円）にのぼりました。
IDCの予測では、最も高い成長率が予測されるのは研究機関での活用で、年間166.2%の成長が予測され、次いでセラピー・リハビリでの活用が152%、インフラ点検が138.4%の年間成長率がそれぞれ見込まれます。
そして規模として、今後最も大きなユースケースになるのは製造業のメンテナンスで、52億ドル（約5,800億円）とインフラ点検の36億ドル（約4,000億円）であり、コンシューマー領域ではVR/ARを用いたゲームコンテンツが最も盛んで、2021年には95億ドル（約1兆5,000億円）の利益をもたらすとのことです。
VRとARを区別して見ると、2017年から2018年にかけては、VRを用いたサービスやゲームなどに関する支出がARよりも多く、2018年以降からはARに対応したハードウェアやソフトウェアの売り上げが明らかな向上を見せるとのことです。
（関連記事）
ゴールドマンサックス、今後10年でのVR/AR市場の可能性を予測
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VR/ARの市場の将来像とは？シリコンバレーで語られた最新動向
http://www.moguravr.com/vr-ar-svvrexpo2017/
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http://www.moguravr.com/ar-2030/
（参考）
Worldwide Spending on Augmented and Virtual Reality Expected to Double or More Every Year Through 2021, According to IDC（英語）
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS42959717
