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VR/ARの市場の将来像とは?シリコンバレーで語られた最新動向

2016年に各種VRヘッドマウントディスプレイが発売されました。各企業が参入する中で、多くの人が疑問に思っていることの1つが「市場は立ち上がるのか?どのように成長していくのか?」という点です。

日本国内でも質問を受けることが多いポイントですが、VR/ARの市場規模とその動向への関心は世界共通です。

今回は、3月末にシリコンバレーで開催されたSVVR EXPO 2017で行われた3つの講演から世界のVR市場の動向を紐解いていきます。

今回、紹介する3つの講演は以下の通りです。
・「From Mock-up to Medium: Why VR is Doing Better Than We Think(モックアップからメディアへ。なぜVRは思っている以上に上手くいっているのか)」(Superdata)
・「The Reality of VR/AR Growth」(VR/ARの成長の現実)」(Digi-Capital)
・「Everything You Need to Know about VR in China(中国のVR事情について知っておくべきこと)」(Outpost Capital)

2016年は予測を下振れ、しかし依然として成長は続く(Superdata)

Superdataはゲーム業界のリサーチ会社です。世界のゲーム企業トップ50のうち、42社と提携し、eスポーツ、実況、VR/ARなどの話題も含めたゲーム業界に関する情報を分析して発信しています。SuperdataはこれまでもVR/ARのプラットフォーマー、ハードウェアメーカーなど主要なプレイヤーと提携したVRデータネットワークを構築し、報告書を出してきました。

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今回登壇したSuperdataの副社長Stephanie Llamas氏は、2月に発表したレポート「The Virtual Consumer」から最新の数字と分析結果を報告しました。

2016年のVR市場の規模は18億ドル

世界全体のVR業界における2016年の市場規模は18億ドル(約2,000億円)。ハードウェアが15億ドル、ソフトウェア・サービスが3億ドルと発表しました。ソフトウェアの内訳はゲームが44%、ロケーションベース(アーケードなどでの利用)が35%となっています。

Supardataは2016年1月から4回に分けて2016年の市場規模予測を発表してきました。徐々に下振れが続き、2016年1月の36億ドルから2017年1月は18億ドルと当初の50%減の結果となっています。Llamas氏はその理由として、当初260万台と予測していたPlayStatation VRの出荷台数が75万台程度に落ち着いたことなどを挙げつつも、「初年度の数字として18億ドルという規模はそれでも大きいものだ」と評価しています。

また、2016年の出荷台数のグラフを公開し、サムスンのGear VRの出荷台数が非常に多かったこと、11月に発売されたばかりのグーグルのDaydreamがOculus Riftの出荷台数を抜いていること、HTC Viveの出荷台数がOculus Riftの2倍に達する、と見込まれていることを示しました。

VRはカラーテレビと似た普及経路を辿る

Llamas氏はVRの普及が、これまで普及した技術のいずれかと比較できるか、として一般家庭への普及曲線を紹介しています。カラーテレビ、VCR(ビデオ)、PC、インターネット、携帯電話の中で、カラーテレビに最も近いとの見解を示しています。カラーテレビは白黒テレビが普及しきった後に登場し、当初は誰も「カラーであること」の意味を理解せず、白黒からの乗り換えに時間がかかったことから、立ち上がりに時間がかかりました。「VRでやる意味」を問われることも多いVRも同じような状況にあるのではないか、としています。一方でカラーテレビとVRの違いとしては、関心の高さや意識の高い消費者が存在すること、価格などを挙げています。

最終的にSuperdataの現在の予測では、2020年までに377億ドルの市場規模に成長するとしています。そして2020年にはハードウェアをソフトウェアが抜くとしています。2016年3月には2019年としていた予測が1年後ろ倒しになりました。

直近ではVR市場への期待に対して出荷台数などが伸び悩んだことによる悲観的な見方「失望のギャップ(Gap of disappointment)」が生じていると言及しています。

アメリカのアーリーアダプターの動向

最後にLlamas氏は興味深いデータを紹介しました。北米のVR消費者の内訳です。

性別 年齢層 比率 消費性向
男性 18~34歳 37% ゲームを中心にハイエンドなVRデバイスを使用。使用頻度も最も高い
女性 18~34歳 26% セレブや観光の360度映像などを視聴
男性 35歳以上 23% 高所得者が多い。どの層よりも観光コンテンツを消費
女性 35歳以上 14% ほとんどがモバイルVR。家でのみ体験

北米では、いわゆるミレニアルと呼ばれる34歳までの世代が63%と過半数を占めています。ミレニアル世代の男性がVR市場をリードしていること、また全体で見ると女性が40%を占めておりVRを享受していることが分かります。

次ページ:ARの普及はモバイル中心に、買い替えのタイミングが契機

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この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。Boothにて書籍「寝転んでNetflixを観ると、 VRの未来が見える」販売中

Twitter:@tyranusii

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