オーストリア・ウィーンのスタートアップ企業、Cybershoes GmbHが開発中のVR向け歩行アクセサリー「Cybershoes」が、東京ゲームショウ2018(TGS2018)のVR/ARコーナーにて実際に体験できる形で出展されていました。以前から注目を集めていたこのデバイスが一体どのようなものなのかレポートします。
Cybershoesとは
Cybershoesは両足に履き、歩くように足を動かすことでVR空間での移動を実現させるサンダル型のデバイスです。
仕組みとしてはサンダルの裏側にローラーが付いており、このローターの回転により足の移動量を検知、VR空間での移動を行います。また、方向もトラッキングできるので、両足が向いている方向をプレイヤーの視線(=見ている方向)と別々に、分けて測定することができます。
特徴としては何より大型の装置を必要としないこと。足に装着するデバイスだけで済むので、安価に移動体験が実現できます(回転については、回転する椅子を用意し、それに座る形で行うようになっています)。
Cybershoesはタッチパッドやモーションコントローラー用のSteamアプリケーション、およびSteamプラットフォームにおけるOculus/Microsoft Mixed Reality(Windows MR)利用に対応。キャリブレーション設定およびVRヘッドセットとの接続作業も簡単にできるとのことです。
歩くように足を動かすと
ということで、早速Cybershoesを体験してみました。見た目は靴の中敷きのような形で厚さもそこまでないのですが、ローラーや機器が中にはいっているので、持ってみると靴の中敷きとは違い少し重さを感じます。
足全体を覆う形状ではなく、バンドで固定する形なので、足のサイズが30cmの筆者でも問題なく身に着けることができました。そして装着してしまえば重さは気になりません。
そして、回転イスに座って体験の開始です。今回はHTC VIVEを使い、「Skyrim VR(スカイリムVR)」をプレイする形でデモを行いました。シチュエーションとしては、山岳地帯で武器をもって動物を狩るというもの。普通だったら手に持ったコントローラーを操作して移動するところですが、Cybershoesを使う事で移動は足(とイスによる回転)でこなすことができるので、手は攻撃に集中することができます。
(足を動かしてゲーム内で移動する様子)
コツは、しっかりと足を上げて地面を踏みしめてから足を後ろに動かすこと。ローラーが付いているのでついスケートのように滑りたくなりますが、それでは思ったようには動きません。また、後ろに動かした足を足を前に戻すときに地面をこするようにしてしまうとVR空間でバックしてしまい、意識と知覚のズレから酔いを誘発してしまいます。滑るのでなく、きちんと足を上げて歩くのが大事です。
(滑るのではなく、足をしっかり上げて歩くように動かしましょう)
体験を終えて
筆者は最初こそスケートで滑るように動かしてしまったのでうまく動かせませんでしたが、途中からは靴だと思えばきちんと歩けました。そのため、足裏のローラーは意識しないほうがよいでしょう。
Cybershoesは、今後Kickstarterキャンペーンを行う予定ということで、下記サイトにてキャンペーン開始通知のための登録フォームが開設されています。
https://www.cybershoes.io/kickstarter-jp若干の慣れは必要ではありますが、大型にならずコストを抑えての移動VRアクセサリーであるCybershoes。今後の展開を期待しましょう。
(関連リンク)Cybershoes GmbH