ARグラス向けの要素技術などの開発を手がけるCellid株式会社が、総額20億円を調達しました。本調達により同社の累計調達額は約52億円に達しました。調達資金はウェーブガイドやマイクロプロジェクターなど、ARグラスのキーコンポーネント製品開発強化やユースケース開発の促進、量産体制の整備に活用されます。
本調達は、株式会社日本政策投資銀行をリード・インベスターとして、モアマネジメント株式会社、15th Rock株式会社、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、京セラ株式会社とグローバル・ブレイン株式会社が共同で設立したCVCファンドを引受先とした第三者割当増資により実施されました。この調達により、同社の累計調達額は約52億円となります。
Cellidは、ARグラス用ディスプレイおよび空間認識エンジンの開発事業を展開しています。2024年11月には、独自のウェーブガイドを採用したARグラスのリファレンスデザイン(検証用モデル)を発表。通常のメガネと変わらないデザインで、約58グラムの軽量化を実現しました。
同社は、医療分野での展開も視野に入れており、昨年12月には東京科学大学と三井化学との共同で医療用ARグラス開発・研究プロジェクトへの参画を発表。科学技術振興機構(JST)の2024年度戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択され、2029年度までの期間で研究開発を実施する予定です。
今回調達した資金は、ウェーブガイドやマイクロプロジェクターなど、ARグラスのキーコンポーネントとなる製品開発の強化、リファレンスデザインを活用したユースケース開発の促進、量産体制の整備などに充てられるとのことです。
本調達に際し、日本政策投資銀行の永井晃氏は「Cellid株式会社はウェーブガイド方式のレンズについて世界水準の技術を有しており、加えて、競争力を誇る日本の光学材料・半導体加工企業と綿密な協業関係を構築しサプライチェーンを確立されている点を評価させていただきました」とコメントしています。
(参考)プレスリリース