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業界動向 2022.08.01

Apple、デバイスを使って手や指の接触だけでジェスチャー入力できる技術の特許を取得

2022年7月26日、Appleは手や指の接触だけでジェスチャー入力が可能な装着型デバイスに関する特許2件を取得しました。

この技術は、腕時計、手袋、指輪などの形をしたデバイスを装着することで、手や指の接触、スライドジェスチャーを認識できるというもの。これを用いてVR(Virtual Reality/仮想現実)、AR(Augmented Reality/拡張現実)、スマートホーム機器におけるスクロール、ポインタやオブジェクトを操作できるとしています。

装着型デバイスだけでジェスチャー入力

今回Appleは、体にデバイスを装着することで手や指を用いた操作が可能な技術の特許を取得しました。特許には腕時計型のデバイスなどの例が記載されています。両腕につけた腕時計型のデバイスを使って手と指の接触やスライドジェスチャーを認識。片方のデバイスの電極から信号を流し、もう一方のデバイスで信号を受信します。手や指の接触状態によって変化する受信信号の振幅や波形の歪みを解析することで、ジェスチャーを認識する仕組みです。信号の周波数を複数利用することで、複数のデバイスを複数の指や手に装着してジェスチャーを複数認識することもできます。

現在でも、VRヘッドセットに搭載されたカメラを用いてハンドジェスチャーを認識する技術は利用されています。カメラを利用した認識の仕組みでは、指が手に触れているか、手に接触せずに近接しているかの違いの検出が困難な場合があります。また、指と手がカメラの視野内になければ認識できません。今回のデバイスは、信号を用いて接触しているか判定できるため、カメラで認識する時に起きる問題を回避できます。さらに、カメラと組み合わせることで誤認識を減らすこともできます。

ジェスチャーの種類とデバイスの形態

取得できる状態は手と指、指と指の「接触」、近づいているが接触していない「近接」、接触した状態で指を動かす「スライドジェスチャ」です。「接触」により「タップ」、「ダブルタップ」、「タップアンドホールド(長押し)」のジェスチャー入力も可能です。また、複数のデバイスを1つの手に実装することもできます。手袋型デバイスなどで手のひらに受信回路を4つ配置することで、水平、垂直、斜めなど複数方向の「スライドジェスチャ」を認識できます。

ジェスチャを利用して、「カーソルまたはポインタなどのオブジェクトの移動」、「スクロール・パン」、「ファイルのオープン」、「メニュー表示」、「選択の実行」、「命令の実行」、「周辺装置の操作」、「電話の応答・発信・終了」、「ボリュームまたはオーディオ設定の変更」など、様々なアクションを実行できます。

デバイスは、腕時計、指輪だけでなく、リストバンド、手袋、指カフ、ブレスレット、ネックレス、ヘッドマウントデバイス、ネックレス、アームバンド、ヘッドフォンやイヤーバッズ(耳の穴に差し込むタイプのイヤホン)、手持ちのコントローラーなど、様々な形態が可能です。

Appleは他にもAR・VRのUIに関する特許を取得しています。UIにこだわりを持つAppleがAR・VRデバイスにどのような入力方法を採用するのか、デバイスの登場が待たれます。

(参考)US特許11397468(USPTO)US特許1139746(USPTO)


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