長時間のフライトを快適に過ごせるように、航空機利用者へVRコンテンツを提供する航空会社が増えてきています。米国のアラスカ航空では、旅客機内でのVRエンターテイメント提供を行うSkyLights社のデバイスを用いて、VR体験を開始します。
通常の映画、3D映画、VR動画など多数の作品
対象となる路線は、アラスカ航空のシアトル~ボストン便、及びボストン~サンディエゴ便です。使用するデバイスは、SkyLights社のヘッドセット「ALLOSKY」。この機器はクアルコムのプロセッサーSnapdragonを搭載し、片目フルHDの高精細な解像度を実現。250gの軽量設計で座席に接続することも可能です。20世紀FOXやワーナーブラザーズといったパートナースタジオの、多数の3D/360度コンテンツを視聴することができます。
「レディ・プレイヤー1」のような3D作品に加え、フリーダイビングやクラシック音楽等をテーマにしたVRの短編動画も選択可能です。なおSkyLightsの公式ウェブサイトによれば、ヘッドセット自体はYouTubeやNetflixからダウンロードした動画を視聴する機能も備えています。但しアラスカ航空の提供サービスにこの動画提供が含まれているかは、現時点で不明です。
これまでもフライト中にVR体験を提供する試みは多くありましたが、今回のSkyLightsで特徴的なのは、「映画視聴に重きを置いている」点です。周囲を見渡すVR動画では、隣の乗客にあたってしまう可能性もあります。Netflixのアプリが一体型VRヘッドセット向けに人気となっているように、VRで没入した環境で大スクリーンで映画を見れるだけでも十分な価値になります。
この他にも、SkyLightsは6歳~12歳の子供向けの機内用VRシステム「Skykids」を発表するなど、フライト中のエンターテイメントに力を入れています。こちらは現在、フランスのXL航空で試験提供が行われています。
航空機内でのVR体験は顧客満足度向上に繋がると期待される一方、安全性への懸念から研究も進められています。
(参考)VRFocus、Skylights公式サイト
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