アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするスマートコンタクトレンズ開発企業・XPANCEOが、シリーズAラウンドで2億5,000万ドル(約367億円)を調達しました。これにより、同社の企業評価額は13億5,000万ドル(約1,984億円)となり、XR分野のユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)となりました。
今回のラウンドは、2023年のシードラウンドでも出資を主導したOpportunity Venture(Asia)がリードしました。シードラウンドでは4,000万ドル(約58億円)を調達しており、今回と合わせた資金調達総額は2億9,000万ドル(約426億円)に達します。
XPANCEOは2021年に設立され、スマートコンタクトレンズの開発を進めています。現在、同社は複数のプロトタイプを開発中で、約50名の従業員のうち8割が科学者やエンジニアで構成されています。
開発中のレンズには、XR機能のほか、リアルタイムの健康モニタリングやナイトビジョン(暗視)、ズーム機能の実装が想定されています。また、眼圧感知による緑内障監視用のスマートレンズや、涙液からグルコースなどの健康データを測定する生化学レンズも開発中です。ワイヤレス充電やデータ通信に対応するプロトタイプも存在します。
2025年にスペインで開催された「MWC 2025」では、5種類のスマートコンタクトレンズのプロトタイプを披露しました。そのうち2種類はXRに関連するもので、ひとつはマイクロディスプレイを搭載した「AR Vision用スマートコンタクトレンズ」、もうひとつはリアルタイムでデータ送信が可能な「データ読み取り用スマートコンタクトレンズ」です。
この「データ読み取り用レンズ」は、専用のコンパニオンデバイスと連携します。コンパニオンデバイスは、充電器やデータ処理ハブとして機能し、取得した生体データをスマートフォンなどで確認できます。
XPANCEOは、2026年までにすべての機能を統合した「オールインワン型スマートコンタクトレンズ」の市場投入を目指しています。今回の資金調達は、この製品の開発を加速させるために活用されます。
創業者のローマン・アクセルロッド氏は、「ユニコーン企業となったことは、自社の進む道が正しいことを示す強いサイン」と述べました。さらに「これまでに15種類の動作するプロトタイプを24カ月で開発した」とし、目を唯一のインターフェースとして全てのデバイスを統合するというビジョンも明かしました。
同社はマンチェスター大学を含む複数の研究機関と協力しており、2023年時点で特許出願中が12件、さらに32件の特許化可能な発明を保有しています。
(参考)Road to VR
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