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企業動向 2025.03.18

スマートコンタクトレンズのプロトタイプが一気に5種類登場 ドバイのディープテック企業が開発

アラブ首長国連邦(UAE)のディープテック企業XPANCEOは、スペイン・バルセロナで開催されたMWC 2025において、5種類のスマートコンタクトレンズのプロトタイプを発表しました。健康モニタリング機能を備えたモデルやAR機能を搭載したモデルなど、次世代のウェアラブルデバイスとして注目を集めています。

XPANCEOは2021年に設立され、UAEのドバイに本社を置く企業です。次世代のパーソナルコンピューティングの開発と、スマートコンタクトレンズを用いたXR技術の実装を主な事業としています。同社は約50名の従業員のうち80%が科学者・エンジニアで、研究者の半数がPhD取得者です。

2023年には世界24位のシード投資を受け、12件の特許出願中、32件の特許化可能な発明を保有しています。また、UAEのトップ3研究機関に選出されるなど、研究分野でも注目を集めています。

MWC 2025で発表された5種類のスマートコンタクトレンズのうち、2種類はXRに関連するモデルです。

1つ目は「AR Vision用スマートコンタクトレンズ」。このレンズにはマイクロディスプレイが搭載されており、これまでスマートグラスやAR/VRヘッドセットで可能だった画像を表示することができます。

2つ目は「データ読み取り用スマートコンタクトレンズ」です。このレンズは、コンパニオンデバイスに無線通信でリアルタイムデータ転送を可能にするシステムを特徴としています。このコンパニオンデバイスは充電器としてだけでなく、主要な計算ハブとしても機能し、ユーザーは埋め込まれたセンサーからのバイオメトリック情報を直接スマートフォンで受け取ることができます。


(公式YouTubeより。MWC 2025出展の様子)

残りの3種類は充電や健康モニタリングに関連する機能を搭載したプロトタイプです。

1つ目は「ワイヤレス充電対応のスマートコンタクトレンズ」です。このレンズは柔らかく軽量で、放射線レベルは一般的なヘッドフォンなどのウェアラブルデバイスと同程度で安全に着用できるとのこと。コンタクトレンズケースに似たコンパクトな充電器と組み合わせることで、日常的に使用できるコンタクトレンズとして設計されています。

2つ目は「バイオセンシングスマートコンタクトレンズ」で、涙から直接、体内パラメータを測定する機能を搭載しています。このレンズは、ナノ粒子の助けを借りて涙液中の成分の信号を強化し、グルコース、各種ホルモン、ビタミンなどの主要な指標を監視。この機能により、個人の健康管理の向上と、病気の早期発見・予防が可能になると期待されています。

3つ目は「IOP(眼圧)センサー付きスマートコンタクトレンズ」です。AIを活用したスマートフォンアプリと連携することで、ほぼ目に見えない光学パターンをスキャンしてリアルタイムの読み取りを行うことができます。これらのパターンは眼圧の変化に応じて変化し、即時かつ正確な測定を提供し、緑内障の早期発見に役立つ可能性があるとのこと。

(参考)AuganixXPANCEOMWC 2025

 


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