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スマホからXRへ 最新デバイスを使った最先端の企業向けXRをアップフロンティアが構築できる理由 【XR/メタバース作戦会議 講演レポ】

2024年11月28日、「XR/メタバース作戦会議 ~XR / メタバースを牽引する注目企業が語る未来展望」がオンライン開催されました。

本イベントは株式会社Mogura主催のカンファレンス「XR Kaigi 2024」のスペシャル・プレイベント。XR、メタバース、空間コンピューティングなど、最先端テクノロジーを牽引する企業のキーパーソンたちが、業界最新動向や将来展望について語りました。

今回はアップフロンティア株式会社のセッションをレポート。登壇者は、同社代表取締役社長の横山隆之氏です。

横山氏の今回のテーマは『産業を変えるXR』。現状、XR市場全体の約7割がエンタープライズ(企業利用)向けのなか、実際にXRがどのように産業を動かしているのか、アップフロンティアのこれまでの事例などから解説します。

スマホアプリからARアプリへ 常に最先端をいくアップフロンティア

アップフロンティア株式会社は2005年12月に設立し、現在の従業員数は約60名です。横山氏によると「設立から19年間、ずっと最先端アプリをずっと追い続けてきた」とのこと。2013年秋の「Oculus DK1」発売後である2014年1月からXR分野に参入し、もうすぐ丸11年を迎える老舗アプリ開発企業です。


(出典:アップフロンティア株式会社、以下同)

事業の主体はスマートフォンアプリの受託開発で、500以上のアプリ開発実績を有します。

アップフロンティアが現在、開発に取り組むのは最新ARグラス向けアプリです。

店舗情報をAR表示、実践的なAR活用にチャレンジ

まずピックアップされたのは「豊洲場外マルシェ」での活用を目的としたARガイドアプリです。2023年初めにリリースされています。

そもそも、豊洲は国交省が認定するスマートシティ特区に認定されており、複数の実証実験が行われています。アップフロンティアは清水建設株式会社と共同で、XR分野における様々なチャレンジに取り組んでいます。本アプリ開発もこの取り組みの一環として実施されました。

本アプリはVPSに「Immersal」、デバイスにMagic Leap社のMRデバイス「Magic Leap 2」を採用しています。豊洲駅前の広場で月に1回開催されるマルシェの店舗情報や販売状況を、ARデバイスに配信し、現実の景色には映らないような付加情報をユーザーに提供。 横山氏はこれを「ARグラスが将来普及した際に、どういったUI/UX、使い方であるべきかを実証実験するというプロジェクト」と語ります。

また、ARデバイスは屋外で利用することから、日光による画面の見えづらさや、表示されるAR情報の位置ズレなどの懸念がありますが、今回の実証実験では「屋外でもかなり明るくAR情報が表示され、 ユーザーが移動してもAR表示がずれなかった」とのこと。「Magic Leap 2」が、優れたセンシングを有していると語っています。

用途に応じてパッケージ化、Meta Questにも対応

MetaのVR/MRヘッドセット「Meta Quest 3」及び「Meta Quest 3S」のアプリ開発事例についても触れられました。

アップフロンティアはARアプリ「Diorama Visionをリリースをしています。今アプリは、ARグラスやMRヘッドセットを通して、3Dジオラマ上で目的地の周辺情報を閲覧できるサービスです。国土交通省主導の3D都市オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU」のモデルを使用しています。「Diorama Vision」には、都市ガイド版と浸水マップ版が用意されています。

Diorama Vision 都市ガイドでは、ユーザーが目の前に広がるジオラマから「実際にどんなテナントが入居しており、どんな体験ができるか」を確認できます。おすすめの観光コースも表示できるため、ホテル等での利用を想定しているとのこと。ハードウェアも含めて約200万円からという価格でパッケージ化しています。

一方、Diorama Vision 浸水マップは3Dジオラマ上で水害を俯瞰し、避難所の位置を確認できるアプリとなっています。ARデバイスで都市を眺めることで、水害時にどの地域が浸水するか、直感的かつ一目で把握できます。避難所の情報などもセットで表示され、水害の種類に応じてどの避難所が適しているかもチェック可能です。

本アプリは防災教育の観点から自治体向けに提供しています。都市ガイド版と同様に、200万円前後でハードウェア含めてパッケージ化しています。なお、浸水マップ版は株式会社NTTコノキューを中心としたNTTグループと協力し販路を開拓しているそうです。

アップフロンティアは、2024年11月に既存のMagic Leap 2対応版に加え「Diorama Vision」のMeta Quest 3対応版をリリースしました。

横山氏は「当然、Meta Quest 3自体が安いという側面もあるが、 特にここ半年間でソフトウェアへの提供機能が非常に良くなってきているのがリリース理由の一つ。MetaさんのXRに対しての本気度が感じられる。また、Metaの新型ARグラスプロトタイプ『Orion』も意識して対応を進めている」と語りました。

Apple Vision Pro向けアプリ開発は自社の集大成

Appleの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」への対応も紹介されました。アップフロンティアは、米国発売直後に3台を輸入。ブレストから始まり、時間をかけて「何を開発すべきかを社内検討してきた」といいます。結果、Vision Proが国内発売された6月28日に5つのアプリを公開しました。

横山氏は「現在、日本企業の中でも、5つのアプリをリリースできているのはアップフロンティアだけ。ノウハウはかなり蓄積できていると自負している。また今も、3つのアプリをリリースすべく水面下で開発しつつ、受託開発も動いている」とVision Pro向けアプリ開発に自信を見せました。

なぜ、これだけVision Proに力を入れてるのか。横山氏はアップフロンティアが元々、PCデスクトップ上で動くデスクトップウィジェットを作る専業会社として立ち上がった経緯を理由に挙げました。

『Apple Vision Pro』はウィジェットと同じ機能とも言え、創業時のノウハウがそのまま生きてくる。またiOSアプリ開発は15年以上、XRアプリも11年開発しているので、弊社にはかなりノウハウが溜まっている」(横山氏)

同社のVision Pro向けアプリトリらっくすはAppleのグローバルXアカウントで、おすすめのアプリとして紹介されました。

本アプリでは、木を自分の好きなところに置いておくと鳥が飛んできたり、ランダムで鳥が様々な動きを見せてくれます。またイマーシブモードに変えると、ユーザーの手を認識して鳥が手乗り。「とにかく癒されるアプリとして開発した」とのことです。

NTTコノキュー「MiRZA」はじめ、新デバイスには積極的に対応

最後は、NTTコノキュー製XRグラス「MiRZA」への対応にも言及。アップフロンティアはMiRZAのアプリ開発パートナーです。

同社は「Diorama Vision」をリリース早々にMiRZAに対応させたそう。「移植にはそこまで時間はかからず、開発環境もしっかり整えていただいた。ハードウェアのバランスも非常にいいので、弊社も注目しているデバイス」と、横山氏はこれからの期待を語りました。

また、ソニーの裸眼で立体視ができる空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」やXREAL製スマートグラス「Xreal Air 2 Ultra」、首掛け型ウェアラブルデバイス「THINKLET」等、新デバイスには貪欲に対応する姿勢を強調しました。

「XR Kaigi 2024」での出展ブースでは、これまで紹介してきたアプリやデバイスを展示予定。XR業界関係者は必見のブースとなるでしょう。

次々と登場するXRデバイスをキャッチしながら、楽しんで開発

セッション後には、司会の久保田氏から2つの質問が投げかけられました。

久保田瞬氏(以下、久保田):
BtoBのXR開発は、ここ数年で本当に著しい変化があったと感じています。横山さんから見た時に、産業向けXRへのニーズが高まっている認識はありますでしょうか。またどのようにニーズの変化を感じてらっしゃいますか?

横山隆之氏(以下、横山):
とにかく、弊社が参入した11年前に比べたら、はるかに小慣れてきたと感じています。 加えて、最新デバイスの登場によって出来ることがどんどん増えてきています。クライアントの皆様もそれを実感されていて、お声かけいただくという良い循環ができてきてるのかな、と思います。特に我々の体感だと「Vision Pro」の注目度はかなり高くて、お問い合わせも結構いただいています。

久保田:
デバイスが牽引しているという側面ですね。プレゼンの中でもデバイスの話が、内容を占めてたかなと思います。

一方でどうしても、様々なデバイスが出てきてはシュリンクしていく場合もあったりと、デバイスとの付き合い方は難しそうだなと。どのようにデバイスの登場に対応されているんでしょうか。

横山:
基本的に全方位でキャッチしています。ただその中でも、「この辺りはいけそうだという感覚を掴むこと」、「サードパーティーに対してどれだけ優しい環境かを見極めること」の2点を重視して選んでいます。

我々にとっては、新しいデバイスがどんどん出てくる今の環境がすごく面白く楽しいですし、ありがたいとも思っていますので、この流れに乗っていこうかなと考えています。

アップフロンティアもブース展示 「XR Kaigi 2024」は開催間近!

「XR Kaigi」は、XRなどバーチャル領域の担い手に向けて「共有し、繋がり、高め合う」を目的に開催する国内随一の業界カンファレンスです。 XR/メタバース/VTuber/空間コンピューティング/デジタルツイン/アバター等をテーマに、開発者・クリエイター、経営層やビジネス担当者、マーケティング担当者、学生など、この領域で活躍しているプレイヤーと関心を持っている全ての方向けのイベントとなっています。

今回プレイベントに登壇したアップフロンティア株式会社も、「XR Kaigi 2024」のエキスポエリアにブース出展予定。

ブースでは、仮想の3Dモデルがまるで目の前にあるかのような体験ができる「Apple Vision Pro」のデモアプリを展示予定です。また、ARグラス「 Magic Leap 2」を通して、観光促進3Dジオラマアプリ「Diorama Vision」も出展します。このアプリは3Dジオラマ上で目的の周辺情報を確認できるサービスで、防災教育に活かせる「浸水マップ」と、都市の魅力を最大限に表現する「都市ガイド」を提供しています。

詳細:https://www.xrkaigi.com/event/9316/module/booth/261502/241096

XR Kaigi参加には、チケット購入が必須!

チケット購入者は、東京ポートシティ竹芝でのセッション、エキスポ、他コンテンツへの参加が可能です。また、チケットをお持ちの方は、追加購入なしで、12月11日(水)夜に会場(ポートシティ竹芝内 1Fポートホール)にて開催される懇親会にも参加が可能です。またセッションのアーカイブ動画も視聴できます。

一般チケット8,000円(税込 8,800円)学割チケット 2,000円(税込 2,200円)を現在発売中!チケットは公式サイトより購入できます。

XR Kaigi 2024 開催概要

名称 XR Kaigi 2024
会期 2024年12月11日(水)〜12月13日(金)
会場 ポートシティ竹芝内(ポートホール・東京都立産業貿易センター浜松町館)
公式サイト https://www.xrkaigi.com/
公式SNS ・Twitter:https://twitter.com/xrkaigi
・Facebook:https://www.facebook.com/XRKaigi/
主催 株式会社Mogura

(参考)XR Kaigi 2024
※「XR Kaigi 2024」を主催する株式会社Moguraは、メディア「Mogura VR」を運営しています。


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