ARグラスを開発する米Vuzix Corporation(以下、Vuzix)は、カリフォルニア州に位置するウェーブガイド技術の研究施設を買収したと発表しました。同社は次世代ARグラスに欠かせない光学部品であるウェーブガイドの開発を強化します。
Vuzixは1997年設立のテクノロジー企業で、ARグラスをはじめとするウェアラブル端末の開発と製造を行っています。ニューヨークを本社拠点とし、日本国内にも京都と岡山に拠点を構えています。同社の主な製品としては、重量が38グラムと軽量なスマートグラス「Z100」(499ドル)や、医療現場や物流現場などで使われる「Vuzix Shield」(2,499ドル)があります。これらの製品はスマートフォンとBluetoothで連携して通知表示などを可能にしています。
今回買収した研究施設は、以前は「AIやAR分野で広く知られるグローバル企業」が所有していたもので、高度なウェーブガイドの研究設備を備えています。施設内には高性能の加工装置や、ウェーブガイド製造を効率化する特殊機構が導入されています。今後の設備強化により、顧客の要望に応じた製品の迅速な提供を目指します。
Vuzixは買収した研究施設とニューヨーク州にある本社の連携を進め、ウェーブガイド技術をさらに高めていく予定です。ARグラスにAIを組み合わせた製品開発を迅速化し、関連製品を製造する他企業からの需要増加にも対応します。また、他メーカー向けの製品提供(OEM・ODM)のため、軽量で小型な光学部品や先進的なウェーブガイド技術の供給能力を強化する方針です。
本買収に際し、Vuzixのポール・トラバース社長兼CEOは「この施設によって、我々のパートナーに最高品質のウェーブガイドソリューションを提供し、先進的でファッション性の高いスマートグラスを市場投入するための技術支援がさらに強化されます。AIとARは急速に融合しており、Vuzixはこの進化をリードする立場にあります」とコメントしています。