Oculus RiftとHTC ViveはどちらもPCに接続して使用するハイエンドなVRHMDです。
良質なVR体験をするためには高いスペックのPCが必要になりますが、具体的にどのようなPCを購入すればいいのかと言った意見も多く聞かれます。Mogura VRでは、VR向けのPCで実際に様々なソフトを動かし、動作するのか、そして使用感はどうかといったレビューを行っています。
今回は、マウスコンピューターのゲーミングPCブランドG-Tuneシリーズから発売されている「OcuFes監修PC ゲーミングPCシリーズ」のGTX1060を搭載したLITTLEGEAR i310SA3-VRとGTX1080を搭載したLITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRFを使用しました。使用した筐体のスペックは以下の通りです。
GTX1060搭載モデル LITTLEGEAR i310SA3-VR
■OS : Windows 10 Home 64ビット
■CPU : インテル® Core™ i5-6600 プロセッサー
(4コア/3.30GHz/TB時最大3.90GHz/6MB スマートキャッシュ)
■グラフィックス : GeForce® GTX 1060(6GB)
■メモリ : 8GB PC3-12800 (8GB×1)
■SSD : 240GB Serial ATAIII
■チップセット : インテル® H110 Express
■電源 : 500W 【80PLUS® SILVER】
■外部インターフェイス : USB 3.0(Type-A)×2[前面]
DisplayPort×3,DVI×1,USB 3.0(Type-A)×2,USB 2.0(Type-A)×2[後面]
■価格 : 104,800円(税抜)
GTX1080搭載モデル LITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRF
■OS : Windows 10 Home 64ビット
■CPU : インテル® Core™ i7-6700K プロセッサー
(4コア/4.00GHz/TB時最大4.20GHz/8MB スマートキャッシュ/HT対応)
■グラフィックス : GeForce® GTX 1080(8GB)
■メモリ : 16GB PC3-12800 (8GB×2/デュアルチャネル)
■SSD : 240GB Serial ATAIII
■チップセット : インテル® H110 Express
■電源 : 500W 【80PLUS® SILVER】
■外部インターフェイス : USB 3.0(Type-A)×2[前面]
DisplayPort×3,DVI×1,USB 3.0(Type-A)×2,USB 2.0(Type-A)×2[後面]
■価格 : 179,800円(税抜)
取っ手がついており、持ち運びできるLittlgear
ベンチマークテスト
『FF14蒼天のイシュガルドベンチマーク』、『SteamVR Performance Test』、『3DMark:TIME SPY』の3種類のベンチマークソフトを使用してスコアの計測を行いました。
FF14蒼天のイシュガルドベンチマーク
最初は『FF14蒼天のイシュガルドベンチマーク』からです。設定は全てDirectX11のフルスクリーン、1980×1080の最高品質で行っています。
最初はGTX1060を搭載したLITTLEGEAR i310SA3-VRからです。結果はスコアが14860で非常に快適という結果に。
続いてはGTX1080を搭載したLITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRF。結果はGTX1060搭載モデルに比べて約4千ほど高い18409で非常に快適という結果になりました。
こちらは同様の条件で行ったGTX980搭載モデルです。スコアはGTX1060を搭載したLITTLEGEAR i310SA3-VRに比べて2000ほど低い12039で非常に快適という結果に。
SteamVR Performance Test
『SteamVR Performance Test』はSteam上で配信されているHTC Viveがどの程度動作するかを計測するソフトです。無料で配信されています。
まずはGTX1060搭載LITTLEGEAR i310SA3-VRです。平均充実度は8.1、「非常に高い」から「高い」の間を行き来するような形でVRレディになっています。
続いてGTX1080搭載LITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRFです。平均忠実度はGTX1060搭載LITTLEGEAR i310SA3-VRより高い11、「非常に高い」から下がることなくVRレディという結果でした。
こちらはGTX980搭載モデルです。平均忠実度は8.1でVRレディとGTX1060搭載LITTLEGEAR i310SA3-VRとほぼ同じ結果になりました。
3DMark:TIME SPY
3DMarkはグラフィックボードのベンチマークなどでよく利用されているベンチマークソフトです。
最初はGTX1060を搭載したLITTLEGEAR i310SA3-VRからです。スコアは3913とHTC ViveやOculus Riftの動作基準である3362を600ほど上回る結果となっています。
続いてGTX1080搭載LITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRFです。こちらは6155とGTX1060搭載LITTLEGEAR i310SA3-VRと比べると約1.5倍ほどに、VRの動作基準からは約2倍の結果となりました。
実際にVR機器を動かしてみた
今回はHTC Vive向けにリリースされている『Everest VR』を使って動作テストを行いました。
『Everest VR』はリアルなグラフィックで構成されたエベレストを登山するというコンテンツ。天候効果や見た目の綺麗さなどグラフィックの設定を細かく調整出来るという特徴があります。
GTX1060搭載LITTLEGEAR i310SA3-VR、GTX1080搭載LITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRF共にVRレディであるため通常のゲームプレイは問題なく行うことが可能です。しかしグラフィックの設定を最大にした場合にGTX1060ではカクつく場面が発生しました。最高設定でプレイしたい時はGTX1080でプレイすることをオススメします。
ローエンドモデルでもVR体験が可能に
GeForce GTXシリーズは下2桁が60番台のローエンド、70番台のミドルレンジ、80番台のハイエンドの大きく分けて3種類のモデルが販売されています。1世代前の900シリーズでは70番台のミドルレンジ以上がVRレディの基準となっており60番台のローエンドモデルでのVR体験は推奨されていない状況でした。
1000シリーズではベンチマークテストの結果からも分かる通りGPUの性能が向上したことで60番台のローエンドモデルでもVR体験をすることが可能になりました。しかし『Everest VR』のようにフォトリアルなグラフィックを使用しているVRコンテンツを最高設定で楽しみたいといった場合はまだ足りない部分があります。常にハイエンドなVR体験をしたい場合はGTX1080を搭載したLITTLEGEAR i310PA4-SP3-VRFでプレイすることが推奨されます。
※本記事で使用したPCはマウスコンピューターより貸与を受けたものです。