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VRは、この5年でどう変わったのか——最前線から語る【VRC2019】

2019年8月25日、VR作品コンテスト「VRクリエイティブアワード 2019」授賞式が行われました。当日、会場では授賞式に先駆けて、そうそうたる顔ぶれの審査員による「XRの現状と未来」についてのパネルディスカッションが開催されました。


(前列左より:VRコンソーシアム代表理事の藤井直敬氏、デジタルハリウッド大学学長の杉山知之氏、森美術館 館長の南條史生氏、東京大学先端科学技術研究センター教授の稲見昌彦氏、エンハンス代表/EDGEof 共同創業者および慶應義塾大学大学院特任教授 の水口哲也氏。 後列左より:エクシヴィ代表取締役社長の近藤“GOROman”義仁氏、メディアアーティストの落合陽一氏、IntoFree代表取締役の西川美優氏)

パネルディスカッションではVRコンソーシアム代表理事であり、ハコスコ代表取締役の藤井直敬氏がモデレーターを務め、日本のVRの現状課題や未来についてさまざまな意見を交換しました。VRコンソーシアム(VRC)の発足5周年に合わせて行われたこのパネルディスカッションでの登壇者の発言を前後編のダイジェストの形でお届けします。

VRC発足から5年、VR/ARはどう変化したか

藤井直敬氏(以下、藤井氏):

VRCが始まって5年目です。当初はハードウェアがなかったので、あるものをすごく工夫をして使っていました。ある意味では、皆の煩悩をいかにして流し込むかみたいな、けっこう無茶苦茶なことを、みなさんやられていました。

5年経って、デバイスや開発プラットフォームが揃ってきたので、GOROmanさんみたいに狂気があふれる人があまりいなくなってきましたが(笑) その分裾野が広がってきたので、すごく面白い時代になってきました。

杉山知之氏(以下、杉山氏):

最近の5年間で、もうちょっと産業での応用が進むかと想像していたんですけど、思ったよりはゆっくりですね。ただ、「バーチャルリアリティ」や「VR」という言葉が、5年間で明らかに一般に定着したと思います。

今後はエンターテインメントの方向が1つ、ビジネス・産業の中で使っていくのが1つ。派手じゃないし、マスコミがあんまり扱ってくれないかもしれないけれど、徐々に徐々に進んでいくフェイズに入ると思っています。

南條史生氏(以下、南條氏):

杉山さんが言ったように、ビジネス分野でもっと発展してもおかしくない気がするんですよね。人間がやる必要のない部分に、もっと出ていくはずです。ドローンに載せたカメラみたいなもので、人間がわざわざ行かなくても出来ちゃうんだったら、それでいい。そこに展開の可能性がもっとあると、すごく思っています。

アート系はかなり遅れてるんじゃないかな。もっと色んな提案がされてもいい気がしますけど、ちょっと弱いですよね。

稲見昌彦氏(以下、稲見氏):

私がこの5年間で思ったことは、逆に、よくバブルがはじけずに続いたなと(笑) アーリアダプターの次の次の層ぐらいまで、来はじめている気がしています。新しく入ってきて初めてVRを体験して、やりたいと思った学生が今年になっても居るということは、まだしばらくは若い人の間でも続くんじゃないかとも感じました。

水口哲也氏(以下、水口氏):

僕も1990年代の頭のVRの最初のムーブメントからずっと信じ続けている1人です。90年代の初頭に最初のVRが登場した時、パイオニアたちは「これはテクノロジーではない」と言い切ったんですよね。本当にコンセプチュアルに、フィロソフィカルに、「being there」、つまりそこにいる感覚というものをどういうふうに実現していくかという、すごく長いロードマップをみんなで話をしていって。

やっと、本当に面白い時代がこれからやってくる気がするんですね。今から3年、5年、10年というのは、すごいことになって世の中が一変するので、ここにいる人達はそこに向けてがんばろうと言い続けて5年経ちました。この5年間には、非常に感慨深いものがあります。

近藤“GOROman”義仁氏(以下、GOROman氏):

最近面白かったエピソードが2つあって。1つは、10代ぐらいの人が、VRChatで毎朝ラジオ体操をしているっていう(笑)それが一般化なのかは分からないですけど、特に10代、20代の人たちがVRChatにハマっていると聞いて、僕が10代の時にパソコン通信にハマったのとすごく近いのかなと。これが1点目。

もう1点は、今日なんで僕がHMDを持ってきたかというと、「VARK」というVTuberのライブプラットフォームがあるんですね。日本のActEvolveという会社がやってるんですけど、ちょうどこの時間にライブ(※「Vサマ!」)が始まっちゃうんですよ(笑)

現状の課題としては、「VARK」を見るために僕は、会社に置いてきたOculus Questを取りに行ったことですね。普段は持ち歩いてもいないし、家にもない。だから将来的には常に携帯するポストスマートフォンのようになった時に、初めて便利になるんだろうなと思っています。

そう考えると、VRにハマっているのは、みんながスマホを使わなくなって次のデバイスになった時の新しい体験を、今、シミュレーションしているのかなと。

落合陽一氏(以下、落合氏):

最近、学生さんの作品をよく見ていて、日常からの距離の遠さによってかき立てられる妄想力があるんだと、よく思うんですよ。たとえば「攻殻機動隊」を夢見ている時は、日常との距離が遠いから妄想力が発生します。でも、カメラやヘッドセットが発達して日常との距離が近づいてくると、妄想力も縮まって、コンテンツが陳腐になってしまう。

学生さんに「君は何がやりたいの?」と聞くと、「『ソードアート・オンライン』みたいに空間にメニューが出てきて……」と言うから、「君はメニューが出てくることが楽しいの?」って。でも、それはけっこう重要な課題です。実現された妄想はそんなに面白くない。儀式としてVRをつけることもまぁ普通になってきた観点からすると、感覚器に手を入れない限りは、新しいコンテンツは出てこないかもしれないと最近は思っています。

西川美優氏(以下、西川氏):

ビジネスの観点からお話しします。2016年~18年は、ハードウェアの普及台数も前年対比で2倍ぐらいの台数が出ていました。ところが、今年に入って、ちょっと踊り場に来ているんですね。ただ、踊り場に来ているというのは、去年と同じぐらい売れているということです。市場に出ている数はつまり倍になっています。それは別に暗い話ではないと思っています。

ただ5年前に言われていたような「すごいカーブで市場が立ち上がります」というのと、乖離が起きているのは事実です。みなさんがおっしゃられたように、いろいろなコンテンツを作りながら、次にまた来る時に備えるというステージが、今年や来年なのかなと思っています。

VRを普及させるのはコンテンツか、それとも技術か

藤井氏:

この間、「VRAA」というVR空間で作る建築のアワードがありました。集まってくる人や出品している人は、普通の人に比べたらVRChatで長時間過ごしている人たちなんですけど、「ふだんヘッドセットをつけてますか?」と聞いたら「いや、ぜんぜん」って。VRChatで作品を作って発表して賞を獲るような人ですら、日常的に使っていないというのは、いかがなものかと思うんですけど、でも使わないのには理由があるので。

GOROman氏:

ちょっとヤバいと思ったのが、VTuberのライブを見るためにデバイスを買いますという人が、「終わったら売ります」と言ってたんですよね。ライブが見たい、コンテンツが見たい、でもデバイスとしてのVRに興味はない。それこそが課題だなと。

南條氏:

でも、コンテンツに引きずられてVRに入ってくるんだったら、それでいいんじゃないですか。そのほうが長く続くと思うんだよね。この技術を使って何をするかという時に、技術の開発者と中身を作っている人が同じだと、中身まであんまり力が回らない時があると思います。

藤井氏:

技術を知っている人は、これ以上できないと分かるから、想像力がそこで止まるんですよ。そこでアーティストと一緒にやると、「これはできないか」とムチャを言い出すから。

南條氏:

いろんな技術を使って、こういう話を作ればいいんじゃないか、ストーリーをこうすればいいんじゃないかっていう、専門のライターみたいなものが登場してくるんじゃないですか、そのうちに。

落合氏:

メディアアーティストはそういう職業のような気がしますね。ただ、ストーリーが技術論に寄ったり、深いコンテクストに寄ったりしていると、一般的に共感不能になっていくとすごく思っています。

市場ですごい台数が捌けるようになるまで、一般的にペイして、かつコンテンツとして吟味されたものが出てきにくいのは、すべてのものに言えますね。テレビもそうだったし、ラジオもそうだったかもしれないんだけど、そこの壁にぶつかるフェイズなのかと今は思っています。

水口氏:

自分は今、すごく興奮しているんです。ここから何が変わるかというと、今までの経験が使えないんですよ。今までの経験というのは、二次元の制約の中で磨いてきた演出論だったり、ストーリーテリングだったりするんだけど、これが使えなくなるので、みんなスクラッチの状態でスタートラインに並ぶんですよね。最初はけっこう混乱すると思うんだけど、ここから先は本当に前とまったく違うものが出てくるし、そういう表現が求められてくると思うんです。

杉山氏:

大学でオープンキャンパスをやっているんですけど、「VRのことを勉強できますか?」と聞いてくる高校生がすごく多いんですよ。それから、学生が「VR専門のゼミを作ってください」みたいな話になってきて。若い人の関心は、やっぱり高まっているんです。だから、やっと普及期になるのかなって。それで裾野が広がると、頂点の高いものが出てくるので。

イマーシブな(没入的)体験としてのVRの可能性

稲見氏:

90年代VRの時に、ティモシー・リアリーが「VRは新しいLSDだ」という言い方をしていたじゃないですか。でも、今だってLSD的な体験になる圧倒的な感覚刺激みたいなものは、まだまだ作りきれていないんじゃないでしょうか。

西川氏:

「テトリスエフェクト」はそっち系じゃないんですか?

水口氏:

まあ分からないですけど(笑)おっしゃるとおりだと思います。90年代のパイオニアたちが言ってるのは、みんなそうなんですよ。VRだとかARだとかのカレント(=現行の)テクノロジーに左右されない、もっと先にある融合された世界の、幸せに生きていくビジョンはいったい何だろうかっていう。その議論に僕も、早く行きたいですよね。

南條氏:

演劇や現代美術を見ていると、今、イマーシブ(没入感)な方向に行ってるわけですよ。ニューヨークのイマーシブシアターとか、観客が場面に入っていって、演技している役者を2メートルぐらいの距離で見ているわけですよ。それから2017年に、ドイツのミュンスターで野外彫刻のすごく大きな展覧会があったんですけど、話題になった作品はどれも、観客が中に入っていくタイプの作品です。要するに、空間体験が物語になっています。VRはそれらに匹敵するような新しい体験、驚きのあるような体験を、まだ提供できてないような気がするんです。

落合氏:

イマーシブな体験だと、たとえば中国の深センを歩いていると、建物がすべてピカピカしているわけじゃないですか。街全部がプロジェクション・マッピングされていて、東京五輪は絶対にこれより小さいだろうなと思うわけですよ。それは制約があるからで。日本でメディアアートをやってると、やれることは盆栽を作ることぐらいかなと。

ヘッドセットの中は極めてソフトウェア的で、禅に近いんですけど。禅に近いところならまだ彫り込めるし、物量戦で勝てないならば、物の深みにいくしかなくて。深まったものとしてのヘッドセットとか、深まったものとしてのメデイアアートみたいなものを、僕はずっと考えているんですけどね。

水口氏:

イマーシブには、解像度のイマーシブと、解像度が絡まないイマーシブと、両方あるじゃないですか。最初に南條さんが言ったのは、一人称と三人称、要するに映画が三人称の芸術として発達してきた一方で、ぜんぜん解像度のないゲームみたいなものは、そんなものを取っ払って、三人称と一人称を自由に行き来しながら、どう楽しいか、みたいなことをやってきたわけです。今これがグチャグチャになろうとしています。

でも、その中には絶対に、僕らの中にある何かがフィットする法則があります。解像度とは関係のない、今もっと面白くやれることとか、実験できることがけっこうあると思うんですよね。

藤井氏:

GOROmanさんはそういう時、どう感じるんですか? 物質性とか、どうでもよさそうじゃないですか。

GOROman氏:

でも、最近はアナログシンセを自作してます。パッチングとか、ツマミをねじるのとか、超面白くて。

藤井氏:

戦艦の操作にタッチスクリーン使うのを止めた、ってニュースになったのは米軍でしたっけ?

GOROman氏:

タッチスクリーンを止めてスロットルに戻したというのは、すごくよく分かるんですよ。タッチパネルをシュッシュッってやるのって、気持ち良さがないんですよね。自分の娘を見ていたら、1歳の時に僕のアンプとかをデタラメに押していって、ぶっ壊されたりしたんですけど、生まれた時から本能的に、ツマミをつまみたいし、ボタンを押したいんだろうなって。

落合氏:

オレは今日、VRゴーグルをつけたままライカで写真を撮りましたよ。レンジファインダーは覗けるんですよ。シースルーのカメラで。

GOROman氏:

サイバーでしたよね。

稲見氏:

私は今日の午前中、HMDをつけるためにコンタクトにしていたんです。そうしたらこの歳で度が近いので、スマホとかすごく見にくいんですよ。ところが、VRゴーグルをつけてシースルーのカメラでスマホを見ると、すごく見やすいんです。なぜかというと、シースルーのカメラはピントが1.5メートルぐらいだから、それでスマホを近づけると、めちゃくちゃ良く見えるんです。コンタクトより良いじゃんと思いました。

まだプロトタイプのインタラクションですけど、そういう時代は必ず来ると思います。色調整もできるし、色弱の方だったら強調することもできますし。

藤井氏:

そうすると、ビデオシースルーって素晴らしいなと思いますよね。

プラットフォームに依存する作品をどうアーカイブするか

落合氏:

僕が1個、課題があるなと思っているのは、みんなが作ってきた作品で、もうそろそろ見れなくなるヤツがいっぱいあるだろうということです。

特にプラットフォーム依存性のあるアートは、すべて再生不能になっていきます。ハードウェアと一緒に保存しておかないと、作品が全部消えちゃって、デモムービーだけがPower Pointに貼られた状態でしか残らないと。それで、僕の中でもすごい悲しみに満ちあふれているんですよ。

南條氏:

たとえば、古いビデオで作られた作品があるじゃないですか。すると新しいメディアに乗り換えることを許可してくださいと、契約書の中に入れてあるんですよ。美術館が将来、CD-ROMに入っている作品からBlu-rayに載せ替えていきますというのを、売買契約書の中に入れるんです。

藤井氏:

でも、体験型の作品だとそうはいかないですよね。

西川氏:

追体験できる仕組みは絶対に必要だと思っています。たとえばUnityの中に360度録画できる機能を仕込んでおいて、360度動画のMP4とか、なんらかの形でアーカイブとして残しておけば、けっこう後になっても再生できるはずです。

藤井氏:

でも、インタラクションのないものになっちゃうから、それは結局、Blu-rayで残すのとあんまり変わらないですよ、360度ってだけで。

稲見氏:

インタラクティビティって、データ量で担保できるのなら、それはできるんじゃないですか。つまりあらゆる操作を全部記録しておく。

私の師匠の舘暲(たち・すすむ)先生が、昔「TWISTER」という、LEDがクルクル回る重工業的な360度VR装置を作ったんですが、それをそろそろ壊さないとマズイよねという話になりました。それで出た案が「VRにすればいいじゃん」ということです。回転式のパララクスバリアとか、そういう機械の仕組みそのものをVRにしておくと、実写映像を撮るのとはまた違う形でアーカイブできる可能性があるんじゃないかと。

落合氏:

僕はこの問題をずっと考え続けて生きてきましたが、ポイントになるのは、多種多様なオーディエンスの反応を取っておくことですね。子どもならこういう動き、おじちゃんならこういう動きというのを、ひたすら撮りまくっておくしかありません。映像になったら、その間の関係性を理解することは難しいからです。

稲見氏:

アートって、世界もアーカイブしなくちゃいけないんじゃなかったでしたっけ。

落合氏:

はい。世界もアーカイブしないと、その対応関係がなかなか見て取れません。ただその批評が年を経て変わるというのは、それ自体が非常に面白いですけど。

後編へ続く)



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