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テック 2016.06.23

移動時に視野を狭めるVR酔い軽減技術の研究結果が報告

VRの中で移動を行う際、気持ち悪くなってしまう「VR酔い」を引き起こします。このVR酔いは、しばしばコンテンツ開発者と体験者を悩ませる問題になっています。コロンビア大学の研究チームは、VR酔いの軽減に向けた研究を行っています。

VR酔い

ゲームパッド操作時のVR酔いの解消を目指す

E3 2016にて発表された「バイオハザード7」をはじめとする大半のPSVRのコンテンツでは、VR内での移動をゲームパッドのアナログスティックによる操作に頼ることになります。しかしスティックでの移動が人によっては酔いを催すことが懸念されています。

この問題に対し米コロンビア大学は、VR内において、移動開始時に視野の周辺を狭めることでユーザーの視覚間の不一致を最小限に抑え、酔いを軽減するという新たなアプローチを提案しました。そして同大学の教授であるSteven K. Feiner氏とAjoy Fernandes氏によって、Oculus Riftの「Tuscany VR demo」を用いた実験が行われました。

移動時に視野が徐々に狭まっていき、立ち止まると広がる。

実験は2日間にわたって行われました。30人のボランティアを15人ずつの2グループに分け、FOVの制限をかけたものと、そうでないものをそれぞれのグループに体験してもらい、2日目は逆のものを体験してもらいました。

するとFOVの制限をかけた体験の方がより快適に感じ、長時間プレイし続けられるという調査結果を得ることができたとのことです。

なお、この方法はUbisoftのVRゲーム『Eagle Flight』(Oculus Rift向けに近日公開予定)でも採用されています。『Eagle Fligh』は鷲になって街の上空を飛び回るゲームですが、急加速する際に、まるで鷲の目を細めるかのように視界がぐっと狭くなります。

関連記事記事:【プレビュー】そうか自分は鳥なのか…。Ubitsoft初のVRゲーム。鷲になってパリの街を飛び回る『Eagle Flight』

VR酔いへの対策が強く求められる

PSVRの発売が近づくにつれ、このようなVR酔いへの対策の必要性が一層重要視されています。一般的な消費者が対象であり初体験時の印象が重要なPSVRでは尚更でしょう。しかしVR酔いをほとんど感じないユーザーがいるのも事実。実装する際にはオプション機能としてユーザーが選択できるようにすることが重要であると思われます。

(関連)
VR酔い防止に向けて。これまで登場したVRでの酔わない移動方法のアイデアまとめ。

VR酔いに酔い止めは効くのか?酔い止めを飲んでOculus Riftを体験する製薬会社の広告が登場

(参考)
Study Shows VR Sim Sickness Could be Combated by Reducing FOV During Movement(英語)
http://uploadvr.com/vr-sim-sickness-combated/

Fighting Virtual Reality Sickness(英語)
http://engineering.columbia.edu/fighting-virtual-reality-sickness

※米UploadVRはMogura VRとパートナーシップを結んでいます。


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