たった1人で-50°Cを下回る南極大陸を50日間で横断
「SOLO TO THE SOUTH POLE」は南極大陸を50日間で横断したフランス人探検家MatthieuTordeurを追ったドキュメンタリーです。MatthieuTordeurはたった1人で-50°Cを下回る南極大陸を50日間で横断します。1,150kmの距離を100kgのソリを引きながら歩く姿は過酷な挑戦であることが伝わってきます。
今作はこの連載でも紹介した「When We Stayed Home」や「Rebuilding Notre Dame」、「Surviving 9/11 – 27 Hours Under The Rubble」などのTARGOによる制作です。
TRAGOはフランスにある良質なVRドキュメンタリーを制作・公開している企業です。「When We Stayed Home」、「Rebuilding Notre Dame」ではエミー賞にノミネートしています。
オススメのポイント
1. 体感できる荷物量
出発前の部屋の状態の場面では、南極横断に持っていくものが並べられています。大量の食料、マット、テント、機材、ソリなどが体験者の周りを取り囲んでいる見せ方はとても面白いです。
切り取られたフレームで見せるより、VRで見せると大きさの感覚などが伝わりやすく、取り囲まれるとその量がより体感できるというか感覚で伝わりやすい気がします。
また、これらを早回しで梱包していくのですが、その手際の良さも含めて、それもまた面白い見せ方だと思いました。
2. 同じテントの中で変わっていく姿でわかる過酷さ
南極横断が始まると、歩いているシーンとテントのシーンが交互に展開されます。テントはとても小さく、人が寝るとほぼいっぱいになります。
雪を溶かして水にしたり、食事をしたり、電話をしたり、27歳の誕生日を祝ったりと様々な様子がその中で起こるのですが、時間が経つにつれて、ヒゲは伸び、凍傷の傷は増え、痩せていくことが目に見えてわかります。
南極を横断することの過酷さを目の前の人を通して体感している感じです。南極大陸を横断しているので定点観測というわけではありませんが、テントという小さな空間をVRで撮影し続けることで、その中で変わっていく様子がとてもよくわかります。狭い空間をVRで撮影する1つの良い見せ方であると思いました。
3. 360°見渡せる南極大陸
南極大陸の様子もしっかりとVRで体感できます。吹雪いている様子は真っ白で何も見えませんが、この中を歩いていくのかと思うと恐怖を感じました。
晴れている様子は周囲を見回すと下半分は白い世界で上半分は青空が綺麗に広がっていて青と白のコントラストが美しく、実際に訪れたこともないのに感嘆してしまいました。なかなか行くことができない場所を体感するというのはやはりVRの大きな醍醐味であるのは間違いありません。
作品データ
タイトル |
SOLO TO THE SOUTH POLE |
ジャンル |
ドキュメンタリー |
監督 |
Chloé Rochereuil |
制作年 |
2020年 |
制作国 |
フランス |
本編尺 |
約11分 |
視聴が可能な場所 |
いくつかの媒体で見ることができるので、以下のページよりご確認ください。 |
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