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業界動向 2021.04.16

VR×手術ロボット企業がニューヨーク証券取引所に上場、VR関連2社目のユニコーンに

VRを組み合わせた手術用ロボットを開発するVicarious Surgicalが、ニューヨーク証券取引所へ上場します。企業評価額は11億ドルと見られており、VR業界で2社目のユニコーン誕生となります。

HMDで体内を見ながら操作

Vicarious Surgicalは、患者の負担が少ない手術を実現するための、VRを活用したロボットを開発しています。直径わずか1.5センチという小さなスペースからロボットアームとカメラを挿入、医師は体内の様子を確認しながらアームを操作して手術を行う仕組みです。

VRヘッドセットを装着した医師が頭を動かすと、それに合わせてカメラも動きます。こうして、まるで患者の体内にいるかのように、あらゆる角度から確認できる点が特長です。
またロボットアームは細かに曲がり、人間の肩から手にかけての動きを正確に再現できます。1か所の切開でも広い範囲に届き、縫合を自動で行う機能も持ちます。

これらの機能を、患者に挿入するロボットアームのセット、そして3Dスクリーンを備えた医師側のコンソールというシンプルな装置で実現。Vicarious Surgicalによれば、「手術室間の移動も楽に行うことができ、より多くの医療機関で導入できるよう、コストを抑えられている」とのこと。

ビル・ゲイツらも出資

今回の上場は、特別買収目的会社(Special Purpose Acquisition Company、特定の事業を持たず、未公開会社や事業を買収することのみを目的とした組織)D8 Holdingsとの統合を経て実施されます。

企業評価額は11億ドル、またPIPE(投資会社による上場企業の私募増資引き受け)により4.25億ドルの資金調達を見込んでいます。PIPEにはマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏、Googleの元CEOエリック・シュミット氏率いるInnovation Endeavors等が参加します。

VR企業からのユニコーン誕生は、2021年3月のRec Roomに続き2社目です。またMatterportやRobloxの上場など、関連業界でも大きな動きが続いています。

(参考)Road to VRVicarious Surgical
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