スロバキアと米国に拠点を持つスタートアップVectaryは、730万ドル(約7.6億円)の資金調達を行いました。ブラウザベースで3D/ARコンテンツをデザインできるプラットフォームを通し、より利用しやすい3Dデザインを目指します。
ブラウザベースで3D/AR編集
Vectaryは2014年、デザイナー出身のMichal Koor氏(現CEO)らが設立しました。同社が提供するのは、Webブラウザで3D/ARコンテンツをデザインできるプラットフォームです。
このプラットフォームは、3Dモデリングの経験がなくても制作が可能。企業サイト等での、3D/AR導入のハードルを下げることを目的としています。すでに世界で100万人以上のクリエイターがこのツールを利用しており、さらに1,000以上のコンテンツ制作スタジオらが、Vectaryを用いて3Dコンテンツを配信しているとのことです。
コロナ禍でARコンテンツ閲覧は300%増
新型コロナウィルスの流行を受け、世界中でオンラインサービスの利用者が増加しています。自社の製品を見せるために、3DやARを導入する企業も増加。Vectaryによれば、ARコンテンツの閲覧は300%という伸長を見せています。
Koor氏は、マイクロソフトやフェイスブック、アップルといったビッグプレイヤーが、3Dコンテンツの消費を一般的なものにしていると指摘します。その一方で「3D/ARコンテンツをシームレスに制作・配信できる仕組みが、メインストリームとしての普及には不可欠」とコメントしました。
Koor氏は、Vectaryの目標を次のように説明しています。
3Dは、次第に2Dをしのぐ存在になります。オブジェクトの形状、奥行、大きさを理解することは、製品を選んだり、購入したりする上で特に重要なポイントです。
近いうちに、ウェブサイトに3Dコンテンツを掲載することは、JPEGイメージを載せることと同じくらい一般的になるでしょう。より多くの人が(3D)コンテンツを消費し、バーチャル空間で活動するようになっている現在、デザイナーが3D/ARコンテンツを制作・共有可能にすることの重要性が高まっています。
Vectaryが目指すのは、3D/ARコンテンツの制作、共有、そしてそれに関するコラボレーションを、一般的なものにすることです。
(参考)Vectary、EU-Startups