フィンランドのVarjoが、スマートフォンだけで高解像度の3Dモデルを作成できるサービス「Teleport」の一般提供を開始しました。本サービスでは、スマートフォンを使って現実の空間や物体を3Dスキャンし、3Dモデルを生成可能。フォトリアルな3Dデジタルツインを短時間で生成し、XRデバイスやPC等で活用できるソリューションです。
Varjoは、フィンランドに拠点を置く超高解像度XRヘッドセットの開発企業です。独自技術により、人間の目に匹敵する解像度を実現し、自動車、航空宇宙、医療分野等で高い評価を得ています。日本でもトヨタ自動車に導入されており、世界的に注目を集めるXRテクノロジー企業として知られています。
今回Varjoより発表された「Teleport」は、iPhone等のスマートフォンや各種スキャンデバイスを使って、5〜10分で現実の空間や物体を3Dスキャンし、フォトリアルな3Dモデルを作成できるサービスです。2024年6月に発表され、フィンランド国立オペラ・バレエ団等が導入。トレーニングや遠隔支援等の実践活用を経て一般公開となりました。
Teleportは3Dモデル、3D Gaussian Splattingや機械学習などの技術を活用しています。また搭載されている生成モデルはNVIDIA GPUを使ったトレーニング済み。これらの技術により「従来の写真測量と比べて大幅に効率的なモデル生成を実現している」とVarjoは強調しています。
作成された3Dモデルは、VarjoのXRヘッドセット、OpenXR対応のデバイス、Windowsデスクトップ等の複数のプラットフォームで閲覧や体験が可能です。VarjoはTeleportのユースケースとして、トレーニング、建築プランニング、リモート作業支援を想定。同社は、企業のXRコンテンツ制作におけるコスト削減と、より幅広いXR活用の促進を目指します。
本執筆現在、サービスは月額29.99ユーロで提供されており、teleport.varjo.comで7日間の無料トライアルを実施しています。なお、本リリースに合わせ、限定公開していたベータ版は終了するとのことです。
(参考)Varjo