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軍事利用 2019.02.11

軍事訓練で進むHoloLens導入 今度は米国海軍

アメリカ海軍は、MicrosoftのMRデバイスHoloLensを用いたARシミュレーターを開発しました。リアルな戦闘状態を再現し、かつ安全に武器の使用方法を身につけます。

HoloLensで実弾演習をトレーニング

トレーニングの名称は、Weapons Augmented Reality Scoring System(WARSS)。HoloLens越しに戦闘相手の3Dイメージを映し出し、実弾演習のトレーニングを行います。システムには発射された砲弾数、着弾数、命中率を記録するスコアボードも表示されます。

米海軍海洋システムコマンドのプログラムマネージャーは、「戦闘環境を考慮し、武器の使用方法を学ぶことができます。このためには、実際に戦地に派遣された際に確実に結果を出せるような、リアルな環境を作り出すことが必要です」とシステムの有効性を語っています。

またWARSSは、トレーニングの動画をリモート接続でPC画面等に表示することが可能です。これによって、指導官は画面から様子を確認できます。

進むHoloLensの軍事利用

近年、軍事関係でのHoloLens導入が進んでいます。2017年にはオーストラリア空軍が、次世代部隊向けのHoloLensを用いたARアプリケーションを検討、2018年には英海軍がARを使ったUI(ユーザーインターフェース)の導入に着手しました。

さらに同年、米陸軍向けにマイクロソフトが10万台のARヘッドセットHoloLensを納入するという大型契約が明らかになりました。米陸軍は本格的にHoloLensを実戦と訓練両方に投入する狙いで、契約金は4億8千万ドル(約540億円)に上ります。なおこのデバイス納入に際し、MRデバイスを開発・製造するMagic Leapが入札に参加したとの情報もあります。

2019年2月現在、HoloLensの活用は前線から離れた司令塔やトレーニングにとどまっており、実戦での有効性は未知数です。実際の戦場での使用に耐えるデバイスが登場するか、今後の動きが注目されます。

(参考)Next Reality


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