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AR/MR 2018.09.27

Magic Leapとマイクロソフト、米国陸軍向けヘッドアップディスプレイ供給に名乗り

共にMRデバイスを開発・製造するMagic Leapとマイクロソフトが、アメリカ陸軍向けのヘッドアップディスプレイ供給に乗り出すと報じられています。現在は供給メーカー選定の段階で、入札前の会議に両社が出席したことが明らかになっています。

総数10万台、5億ドルの契約

米メディア・ブルームバーグの報道によれば、アメリカ陸軍はトレーニング用に目の前の画面に情報が表示されるヘッドアップディスプレイ(HUD)供給メーカーを探しているとのこと。デバイス総数は10万台、予算は5億ドルです。初回の発注は、2年間で2,500台となっています。

マイクロソフトは、このデバイスに関する計画「HUD 3.0プロジェクト」に向けた陸軍との会議に出席したことを認めています。同社の他にも、ロッキード・マーティン等25社が参加したということです。

またMagic Leap自身は名を連ねていませんが、出席者リストには”MLH”という記載があります。ブルームバーグの推察では、Magic Leapの子会社、Chosen Realitiesが”ML Horizons”名義でフロリダ州に届出を行っており、この”MLH”に当たるのではないかということ。Magic Leapは、子会社を通じて入札に参加すると考えられています。

なおこのChosen Realities社は現在米国陸軍との間で「augmented reality training for dismounted soldiers.(歩兵向けARトレーニング)」という契約を締結しており、すでにフェーズ2の段階までプロジェクトを進めています。

(Magic LeapのFPSゲーム、この技術が軍隊のトレーニングに応用されるのだろうか)

ディスプレイにバーチャルの戦場を表示

今回入札を行うHUD3.0は、ディスプレイへ戦場や敵軍の3Dモデルや情報を表示し、トレーニングに利用するものだと、防衛関係のメディアBreaking Defenseは報じています。1つ前の世代であるHUD1.0は、試験段階を終え今年10月に配備予定です。このデバイスは、戦略上の情報や兵器への経路を表示する仕様となっています。

陸軍関係者によれば、HUD2.0はスキップされ、HUD3.0が次世代のデバイスとなります。現時点の技術が、第2世代に求められるレベルをクリアしていることが背景だといいます。

Magic LeapのMagic Leap One、マイクロソフトのHoloLensともに、現時点でターゲットとする市場は異なっているように見えますが、MRデバイスのメインストリームとなることを目指しています。デバイスが陸軍の要求を満たす耐用性や使いやすさを実現できれば、将来的にはコンシューマー向けにも応用が可能なものとなるでしょう。

(参考)Next Reality


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