2024年6月末、イギリスのハンドトラッキング/ハプティクス技術企業Ultraleapがレイオフを実施しました。事業売却や新会社設立も検討中とされており、今後の動向に注目が集まります。
開発者に愛される高精度ハンドトラッキング技術
Ultraleapはハンドトラッキングデバイス「Leap Motion Controller 2」や、ハンドトラッキングソフトウェア「Hyperion」「Gemini」などを開発しています。2019年のUltrahapticsによる買収以前は、「Leap Motion」の名前でも知られていました。現在はこれらに加え、Ultrahaptics時代から取り扱っている空中ハプティクスデバイスなども開発・提供しています。
(Ultraleapが2021年にリリースした、第5世代ソフトウェア「Gemini」。認識精度や速度を向上させたほか、指がもう一方の手と重なってもトラッキングを続けることができる。画像: Ultraleap)
海外メディアSky Newsによれば、Ultraleapはハンドトラッキング事業を売却し、空中ハプティクス部門のスピンアウトを模索しているとのこと。Ultraleapの広報担当者は売却やスピンアウトについての言及を避けましたが、「いくつかの部門を再編し、チームの規模を縮小するという困難な決断を下した」とコメントしており、レイオフを認めています。
なお、Ultraleapの「Leap Motion Controller」シリーズは、個人でも導入可能なハンドトラッキングデバイスとして、開発者やVTuber、デザイナー、コンテンツクリエイターがたびたび採用しています。
一方でVR/MRヘッドセット市場においては、Meta Quest 3やVision Proのように、独自のカメラ/センサーベースハンドトラッキングシステムを採用するケースが増加しています。今回のUltraleapのレイオフは、このようなVR/MRにおけるハンドトラッキング技術の変化に起因している可能性があります。
(参考)Road to VR, Sky News