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活用事例 2022.07.25

東大が「メタバース工学部」設立、工学の魅力を発信

2022年7月21日、東京大学は中高生や社会人らを対象に、工学や情報を学べる教育システムとなる「メタバース工学部」の設立を発表しました。


(画像はバーチャル東大[1]より引用)

東大が新設する「メタバース工学部」とは?

新設される「メタバース工学部」は正式な学部ではなく、オンライン環境下で提供される教育プログラムです。

「メタバース工学部」のミッションには、移り変わりの早い先端テクノロジーのトレンドをいち早くキャッチアップし、様々な技術を活用して未来社会を構想できるDX人材を育成することが掲げられています。対象者は工学部生のほか、中高生やその保護者、社会人と幅広く門戸が開かれています。

「メタバース工学部」の教育プログラム

「メタバース工学部」の具体的な教育プログラムは3つあります。

1つ目が中高生や工学部生向けの工学キャリアに関する総合サイトです。特に、ロールモデルが少ない工学を学ぶ女性のキャリア形成について、先人となる工学を学んだ女性の体験談や座談会などを開き、当事者目線でリアルな情報を発信するとのこと。

2つ目が、中高生やその保護者向けのジュニア工学教育プログラムです。工学や情報の魅力を早い段階で伝えるために、商品開発のような体験型演習をはじめ、オンラインでの研究室見学を実施します。

3つ目が、社会人向けのリスキリング(学び直し)を支援する工学教育プログラムです。人工知能(AI)などの最新の工学や情報をオンラインで学んだり、起業家を目指すための教育を受けられます。この教育プログラムでは、受講者のニーズやレベルに合わせた多様なコースを順次開講し、受講生には科目毎に修了証が発行されます。

メタバースでより拓かれた大学教育プラットフォームへ

大学での高等教育をオンラインで誰でも利用できる教育プラットフォームには、Coursera(コーセラ)やedX(エデックス)などがあり、多種多様なバックグラウンドの人が受講しています。

東大は日本初の試みとして、2013年から現在に至るまで、Courseraで教育コンテンツを提供しています。また、海外では、2014年からアメリカのジョージア工科大学がコンピュータサイエンスの修士号をオンラインで取得できる「Online Master of Science in Computer Science(OMS CS)」と呼ばれるコースをスタートしています。

しかしながら、いずれも専門性が高い講義が提供されているため、その分野を学ぶための基礎学力を有する大学生が対象となっています。今回の「メタバース工学部」のように、年齢やジェンダー・立場・居住地の制限が無く、より多くの人が工学・情報分野を身近に感じ、工学をより深く学ぶための最初の入り口としてのオンライン教育システムは、新しい試みです。

また、これまでにも東大は、バーチャル東大[1]やオープンソースのメタバース空間「Hubs Cloud」内でサークル新歓オリエンテーションを実施[2]してきたりと、メタバースの活用に積極的な姿勢を見せてきました。今回の「メタバース工学部」で、より本格的なメタバースの活用が期待されています。

(参考)
プレスリリース 東京大学MOOC 
[1]https://vr.u-tokyo.ac.jp/virtualUT/
[2]https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0114_00004.html


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