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活用事例 2024.12.04 sponsored

東京ドームがXRで攻勢 東京ドームシティ内に“月旅行”など複数のVR体験をオープン

2024年に入ってから、東京ドームがXR領域において積極的な動きを見せています。XRをテーマとしたハッカソンを皮切りに、施設内にXRアトラクションの設置、世界的アワードでの出展・受賞など、これまでにない攻勢を仕掛けています。

東京ドームシティを舞台にしたハッカソンを開催

東京ドームの取り組みは、2023年の「enXross(エンクロス)」立ち上げから始まりました。東京ドームシティからエンターテインメントとイノベーションを生み出すプロジェクトで、第一弾ではブロックチェーンを題材にしたテーマを募集しましたが、2024年7月には「XR×エンタメ」をテーマにイベント「enXross 2nd」を開催。「ポケモンGO」で知られるNiantic特別協力のもと、「XRを活用して『東京ドームシティの体験をアップデート』する」をテーマに、ハッカソンを実施しました。

ハッカソンでは、円谷プロダクションよりウルトラマンや怪獣たちの3Dデータが貸与され、スタートアップ企業やデザイナー、学生エンジニアなど国内外から258名が集結。最終選考では10組による最終プレゼンテーションが行われ、ウルトラ調査隊として数々の怪獣ミッションに挑むゲームアプリを開発したチームU.Dが最優秀賞を獲得しました。

施設内に2つのフリーローミング型VRをオープン

また、東京ドームシティの施設内に、Meta Quest3のMR技術を活用したシューティングアトラクション「XRミッション バトルワールド2045」と宇宙体感施設「Space Travelium TeNQ(スペーストラベリウムテンキュー)」が2024年秋よりオープンしました。

「XRミッション バトルワールド2045」は、ヘッドマウントディスプレイを装着してプレイするフリーローミング(自由歩行型)で、世界初の常設型MRのマルチプレイヤーシューティングアトラクションです。AIが世界を侵略した未来世界と現実世界を行き来しながら、未来を守る「タイムガーディアンズ」の一員として巨大ロボットに挑むストーリーで、最大4人のチームとしてハイスコアを目指します。技術的にも特筆すべき点として、スタンドアローンかつマルチプレーヤーMRにおいて、Metaが協賛をするほどのハイクオリティな映像を実現しています。

一方、11月22日にオープンした宇宙体感施設「Space Travelium TeNQ」では、未来の宇宙旅行を体感できるフリーローミングのVRエリア「SORAVEL LINE(ソラベルライン)」にて、月旅行「THE MOON CRUISE」が登場。来場者はロケットに乗り込んで月へ向かい、月面を歩いたり、記念撮影をしたり、月ならではの天体ショーが見られるなど、まるで本当に月に降り立ったかのようなリアルな体験が可能。撮影した写真はダウンロードし、月旅行の思い出として持ち帰ることができます。

AWE Asiaに協賛・出展、アワードで受賞

さらに東京ドームは、世界最大級のARとVR技術のカンファレンスAugmented World Expo(AWE) Asia 2024に出展。80を超える出展者、100人以上の登壇者の中から、「Auggie Awards(オーギー アワード)」のVR部門最優秀賞「AWE Asia 2024 Auggie Awards: Best in Show, VR」を受賞しました。

展示したのは、上記7月のハッカソンの最優秀作品や「Space Travelium TeNQ」のデモ体験です。ハッカソン作品の体験性や拡張性、「XRアトラクションでのXR技術の活用、宇宙旅行というコンテンツの興味深さなどが評価され、受賞に至っています。

東京ドームの新規事業室の赤木翔氏は、以下のようなコメントをしています。

「東京ドームシティは、世界一のエンターテインメントシティを目指しています。

そのビジョンを実現するために、私たちはXR技術を未来を切り拓く鍵と捉えています。リアル施設とXRの相性は非常に高く、XRを活用することで、これまでにない新しい価値を生み出せると確信しています。たとえば、純粋なリアル体験と、ARグラスを通じた拡張体験を組み合わせることで、1回の来訪で2倍の楽しさを提供できるのです。

先日参加したAWE Asiaでは、私たちが描く未来のエンターテインメント構想を発表し、多くの参加者から期待と注目をいただくことができました。当社のプロダクトや企画が高く評価されたことを、非常に嬉しく思っています。

さらに、同じビジョンを共有する国内外のパートナーと新たなネットワークを築けたことは、大きな成果です。この出会いが、未来の可能性をさらに広げてくれると確信しています。

私たちはXRを活用して、東京ドームシティの魅力を次のステージへと引き上げます。そして、唯一無二のエンターテインメント空間を創り上げ、東京ドームシティから世界中に感動と驚きを届ける存在を目指してまいります」

今回紹介したように、東京ドームでは新たな体験空間の提供を目指しており、それらの技術を今後世界に発信していくとのこと。一過性のイベントではなく、将来的なビジョンに向けて取り組んでおり、今後のXR領域におけるさらなる攻勢に期待していきたいところです。

東京ドームはXRKaigiにも出展。詳細なブース情報はこちら。
https://www.xrkaigi.com/event/9316/module/booth/261502/266722

(参考)東京ドーム プレスリリース


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