VRでは、これまでモニターの中で眺めていた3DCGを現実に呼び出したかのような感覚で“体験する”ことができます。スケール感も自由自在に変えることができるため、建設前のビルを模型のように見下ろしてから、実際に中を歩いてみたり、実寸サイズの巨大怪獣を見上げることもできます。
“3DCGをVRで体験できる”と一口に言っても、これまでは、実際には元々存在する3DデータをVR向けに変換する必要がありました。モデルデータをUnity等のゲームエンジンに統合してVRで観る、といった具合に手間か費用がかかります。
2月14日、日本のVRスタートアップDVERSE(ディヴァース)は、3Dデータを手軽にVR化して体感できる無料ツール『シンメトリーアルファ』を公開しました。
必要なのは、“ファイルを開くだけ”
『シンメトリーアルファ』では、PC向けVRヘッドマウントディスプレイHTC Viveを装着し、PCに保存されている3Dモデルのskp形式ファイルを読み込むだけで、VR空間内にモデルを呼び出すことが可能になります。
ミドルウェア等は必要とせず、「ファイルを開くだけ」で3DデータをVRに呼び出して体験することができるため、手軽にVR化が可能になります。
VRでファイルを選択
ジオラマのように見下ろすモードと、その中に原寸大で入り、歩き回るモードの2種類が利用可能。
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好きな角度からの写真撮影やメモなどの機能も
VRの“Adobe Acrobat リーダー”
『シンメトリーアルファ』は、主に建築、土木業界向けとされており、VR技術を利用して「設計/施工/販売/保守に関わるあらゆるステークホルダー間のコミュニケーション効率を最大化し、迅速な合意形成を強力に支援」するとしています。
特殊な技術や有償のツールを使うことなく、3DモデルをVRで体験できるようになったことで、VRでの体験がぐっと身近になります。
「VRの“Adobe Acrobat リーダー”を目指している」と語るのはディヴァースCEO沼倉正吾氏。ビジネスでの活用だけでなく、普遍的に使えるツールとしてエンタメ用途でも利用できるとしています。3Dモデルのskpデータはウェブ上に無数に公開されています。拾ってきたデータに入ってみるだけでも楽しいのではないでしょうか。
今回公開された『シンメトリーアルファ』は、読み込み専用ですが、ディヴァースは読み込んだシーンを編集するエディターも、用途別に制作しているとのこと。さらなる展開に期待です。
『シンメトリーアルファ』は、HTC Viveに対応。Steamにて無料公開されています。