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「2年半で投資回収目指す」物価世界一のスイスで最大12名参加可能のVRアーケード登場【SVVR2017】

スイスのジュネーヴに本拠地を置くVRゲームスタジオKenzan Studiosは、シリコンバレーで開催中のSVVR EXPO 2017にて、最大12名がプレイ可能なフリーローム型のVRアーケードシステムKenzan Arenaを発表しました。物価が世界一高いスイスで、高品質で持続可能なVRアーケードビジネスを成り立たせたい、としています。

Kenzan Arenaはショッピングモールや複合施設で体験できる高品質なVR体験をうたっています。位置や動きのトラッキングには、中国のモーションキャプチャ企業Noitomと提携し、Project Aliceという高精度のトラッキングシステムを採用しています。

プレイ時はオリジナルのバックパックPCを背負って体験します。筆者も体験しましたが、重さを感じないほど軽量に作られています。


バックパックPCにはモニターがついており、スタッフがプレイヤーの視界を見れるようになっています。

>多様なシチュエーションを想定して、複数のゲームを用意

ゲームは複数種類を用意し、『A lost pit』と呼ばれるゲームでは最大12名が同時に参加することも可能です。家族向けなどさまざまな種類のゲームを用意しています。

各ゲームは1年に2回以上更新し、年に1つのペースで新しいゲームをリリースするとのこと。今回は4名同時に体験できるパズルゲーム『Enigmattic VR』、家族向けの『Starpirates VR』を体験することができました。

4名で協力しながら迷路を解いていく『Enigmattic VR』

『Enigmattic VR』は、Noitom社のVR空間共有システムProject Aliceを使った、テーブルゲームです。テーブル上に出現するコマを4名で協力して導き、ゴールを目指します。

プレイ風景を見るとわかるように、現実でも目の前にテーブルを置くことで実在感を高めています。背中にバックパックPCを背負い、Oculus Riftを装着、手にコントローラーを持ってスタートします。

テーブルの上にあるコマを、狭い道を上手に誘導してゴールまで導きます。向かうべきゴールまでの道は非常に狭く、コマを慎重に動かす必要があります。

導くには4名が同時に動かねばなりません。プレイヤーはそれぞれ対角にいるプレイヤーとペアになっており、対角にいるキャラクター同士は手に持った杖が魔法でつながってビームが出ています。それぞれのビームが交わる点にコマが向かうため、4名が絶妙なバランスで歩いたり手を動かすことでコマをゴールまで進めることができます。


VRで協力しながらの脱出ゲームと聴くと、探索するタイプのゲームかと思いましたが、VRならではの斬新な切り口の「テーブル型脱出ゲーム」でした。道がかなり狭いため、4人で声を掛け合いながらの体験は、思わず手に汗を握る面白いゲームです。

簡単に遊べる『Starpirates VR』

『Starpirates VR』はHTC Viveを装着して体験する1人用のファンタジー色の強いシューティングゲームでした。宇宙海賊になって、手に持った銃で瓶を撃ち抜いたり、宝箱の錠前を壊して宝石を集めていきます。普通のゲームといえば普通のゲームですが、ファミリー向けということで、柔らかな雰囲気が特徴的です。

スイスでVRアーケードを成り立たせるために「2年半で投資回収する」

開発を手がけるKenzan StudiosのCEO、Ronny Tobler氏は、SVVRのプレゼンテーション及びセッションにて、Kenzan Arenaは早期の収益化を考えた結果であることを強調していました。

スイスは世界一物価が高いことで知られています。Tobler氏は、「物価の高いスイスでVRアーケードを成り立たせるためにはどうすればいいかをずっと考えてきた」と苦労話を披露。賃料、スタッフ1人当たりの給与も高くコストがかかるスイスにおいて、「手軽に体験できる価格」で「足を運びやすく」、「投資利益率を高め、2年半で投資回収する」ことを目標としたとのこと。

ショッピングモールなどでの導入を想定しており、最低でも400平方メートルからの導入が可能としています。スタッフ人数は3名。

一人当たりの移動スペースを2.5m四方とし、各人がぶつからないように、1mは間隔を空けるという設定をすることで12名が同時にプレイできる空間を確保し、ゲームデザインにも反映させています。

1プレイ15分程度、最大3セッション程度が飽きにくい水準とのこと。また、熟練していないスタッフでも取り扱え津ように、プラグアンドプレイ(コードを差し込むだけで体験できる)ような設計しています。

2017年夏からスイスで稼働開始

Kenzan Studiosは、VRアーケードシステムKenzan Arenaをスイス・チューリッヒの第1号店舗を皮切りに展開していく予定とのこと。開店は2017年夏頃を予定しています。

今回開催されたSVVR EXPO 2017でも、VRアーケードに関するセッション、展示が散見されました。中国や韓国、日本といったアジアでの導入が進んでいる印象の強いアーケードですが、アジア以外でも展開の兆しが見えつつあります。

(参考)
Kenzan Studios公式サイト
https://kenzanstudios.com/

この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。

Twitter:@tyranusii

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