韓国政府は、メタバースのエコシステム構築に2,237億ウォン(約214.5億円)を投資すると発表しました。研究開発や人材育成など、幅広い分野で支援を行います。
研究開発やメタバース人材育成
これは2月25日付で、同国の科学技術情報通信部が正式に発表(PDF)したものです。声明によると、官民が協力して作る基盤による持続可能なエコシステムの造成に重点を置き、国内企業が世界的な企業と競争できるよう企業間協業、技術開発、規制革新、人材育成を積極的に支援する方針。この政策方向を提示し、本格的な推進に入るとしています。
2,237億ウォンの内訳としては、インフラ組成やファンド造成といった非研究開発分野に1,503億ウォン、研究開発分野に734億ウォンを割り当てる計画です。具体的には、製造・医療など産業界と融合したメタバースの開発と実証に340億ウォンを投資、専門人材を養成する「メタバースアカデミー」に46億ウォンを投じるなど、施策と金額を列挙し、構想を描きました。
主な予算使途 |
具体的な施策 |
予算額 |
専門企業育成 |
・拠点整備 |
901億ウォン |
プラットフォーム実証 |
・産業と融合したメタバースの開発と実証 |
340億ウォン |
海外進出支援 |
・コンテンツの海外展開支援 |
120億ウォン |
専門人材育成 |
・アカデミーの創設 |
80億ウォン |
(声明に記載された2022年度予算より、主な予算使途を抜粋)
科学技術情報通信部のパク・ユンギュ情報通信政策室長は、「今年(2022年)はデジタルニューディールの核心的課題であるメタバースを集中育成する出発点であり、世界レベルのメタバースエコシステムの造成が重要だ」と強調。「国内企業と若い開発者、クリエイターが、メタバースが作る無限のデジタル経済圏で新しい成長機会を見つけ、健全なメタバースを切り開いていけるよう支援を惜しまない」と述べています。
官民で進むメタバースへの取組
韓国では2021年5月にも、科学技術情報通信部の支援の下メタバースの技術とエコシステム構築に向けた産業界でのアライアンス開始が発表。また同国最大の携帯電話事業者SKテレコムが自社開発のメタバースプラットフォームを世界展開するなど、官民挙げてのメタバース構築が行われています。