スマートフォン向けアプリ「Snapchat(スナップチャット)」を手がけるSnap Inc.は、3Dマッピング技術を開発するPixel8earthを買収しました。ユーザーの位置情報に基づくARや広告など、より個々人向けの3Dマップの開発を進めます。
”パーソナライズされた”地図の強化
Pixel8earthは米国コロラド州を拠点とし、クラウドベースの3Dマッピング技術を手掛けています。同社のプラットフォームに参加するユーザーは、360度カメラや通常のカメラを使って好きな地点を撮影し、投稿。Pixel8earthはこの情報を元にデータベースを作成し、世界の3Dマッピングを行っていきます。
買収の狙いは、Snapの手掛ける”パーソナライズされた”地図の強化にあると見られています。同社は2020年6月、ユーザーの位置情報に基づき、周囲の世界にARエフェクトを出現させる「Local Lenses(ローカル・レンズ)」を発表しました。
「Snap Map」への応用も
またSnapはユーザー作成の地図機能「Snap Map」を提供しています。これは、Snapchatユーザーが、特定の場所の写真を公開、互いに閲覧したり、自身の位置情報を友人と共有したりできる機能です。2月に行われた投資家向け報告では、月間で2.5億人以上のユーザーが利用していると発表しています。
2020年は外出規制の影響で低迷したものの、CEOのEvan Spiegel氏は、先行きは明るいと述べています。そして今後はSnap Mapによるマネタイズとして、位置情報に応じた広告を出すといった利用を試行中です。
こうした位置情報ベースのサービス強化に、Pixel8earthの技術を活用することが、Snap社の考えと見られます。
買収総額は760万ドル(約8.2億円)。Pixel8earthの4名のメンバーは、Snapに参画してマップ関連の開発に従事するということです。