米SimulaVRは、一体型VRヘッドセット「Simula One」の出荷目標、2022年第4四半期以降を予定している旨を発表しました。同製品の価格は2699ドル(約31万円)、現在公式Webサイトにて予約受付中です。
VR用Linuxディストリビューション「SimulaOS」搭載VRヘッドセット
「Simula One」の最たる特徴は、VR用に設計されたオープンソースのLinuxディストリビューション「SimulaOS」がインストールされている点です。プロセッサは一体型VRヘッドセットで広く採用されているクアルコムの「Snapdragon」ではなく、ハイエンドノートPC向けのIntel i7-1165G7を搭載。VRヘッドセットでありながら既存のLinuxデスクトップアプリケーションが実行可能です。
基礎スペックは以下になります。
Simula One スペック概要
解像度 |
片眼2448×2448 |
ディスプレイ |
LCD(液晶) |
視野角 |
100度 |
リフレッシュレート |
90Hz |
IPD調節 |
55mm~77mm |
プロセッサ |
Intel i7-1165G7 |
RAM |
16GB |
ストレージ |
1TB SSD |
ワイヤレス |
Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
ポート類 |
USB-C(Thunderbolt 4)×1、USB-C(3.2 Gen 2)×2、USB-A(3.2)×2、3.5mm オーディオジャック |
「Simula One」は、VR内に複数の仮想ディスプレイを表示し、現実のPCでは構築できない作業環境を構築することが可能です。こうした特徴から、「Simula One」は「ポータブルLinuxヘッドマウントPC」とでも呼ぶべきデバイスとなっています。
また高解像度のカメラも搭載されており、外界をフルカラーでパススルー表示しながら仮想環境を重ねて表示する、ARヘッドセットのような使い方もできます。さらにPC接続モードも存在し、SteamVRにも対応しているほか、ハンドトラッキングやアイトラッキングも備えています。
クラウドファンディングから予約販売に切り替え
「Simula One」は当初、Kickstarterでのクラウドファンディングを予定していましたが、現在は公式サイトでの予約販売に切り替えています。UploadVRは、Simula社がハードウェアの出荷実績のないスタートアップであることを懸念点として挙げており、「大規模な製造に成功して利益を得ることは非常に困難で、多くのハードウェア新興企業は出荷する前に潰れてしまう」とコメントしています。
SimulaVRは、予約注文の払い戻しは1週間以内とした上で、「遅延がないとは言い切れない」とアナウンスしており、また「2023年末までの予約販売分のみ保証する」と記載された予約契約書を提供しています。
(参考)Simula One、UploadVR
Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。