米スタートアップのSchemataは、シード資金として500万ドル(約7億円)を調達したと発表しました。同社はAIを活用したバーチャルトレーニング・シミュレーションプラットフォームを開発。2D画像から高精度な3D環境を生成し、空間AI技術と組み合わせることで、国防組織や企業向けに効率的なトレーニングを提供しています。AIを使うことで従来手法と比べて約10倍の速度で開発が可能となり、コストも約85%削減されるとしています。
今回の資金調達は、教育テクノロジー分野に注力するベンチャーキャピタルOWL Venturesが主導しました。ほかにAndreessen Horowitzのspeedrunプログラム、Alumni Ventures、Anorak Ventures、Time Zero Capital、Plug and Play Tech Centerなどが参加しています。Schemataは過去8ヶ月間で米国防総省と340万ドル相当の契約を締結しており、こうした実績が今回の調達成功につながったと見られます。
Schemataはサンフランシスコに拠点を置くスタートアップ。CEOのジェームズ・ブラウン氏とCTOのホイ・グエン氏が共同で創業し、バーチャルトレーニング向けAI技術の開発に特化しています。
同社が提供する中核技術は、2D画像をもとにリアルな3D環境を構築し、そこに文脈情報を付加する「空間AI」にあります。このAIは、音声やテキストによる入力にリアルタイムで応答し、バーチャル空間内の対象物を認識して段階的に操作を案内します。
また、操作マニュアルや手順書などの文書と連携する「スマートドキュメンテーション」機能も備えており、より効果的なトレーニング構築が可能です。これまで高精度なシミュレーションは一部の専門部隊に限られていましたが、同社の開発により幅広い組織が利用可能になるとしています。同社によれば、トレーニングモジュールの構築は従来の10倍速く、コストも85%削減されるといいます。
今後の展望について、ブラウンCEOは、最新の生成AIを活用することで、複雑な3Dデータをより深く理解し、現実環境に対する洞察力を高められると述べています。現場の作業者向けにサポート役となる「コパイロット」的な役割を果たすトレーニングツールや、生産性向上を支えるAIとしての活用を想定しています。
グエンCTOは、空間認識AIエージェントが現実世界の文脈を理解しながら動作する未来を見据えており、3D環境に意味情報を組み込む取り組みを進めていくとしています。今回調達した資金は、空間AIトレーニングプラットフォームの開発を加速し、今後はバーチャルトレーニング以外の用途にも展開する予定です。
