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業界動向 2018.12.04

思春期特有の鬱や不安にVR 米国で高校生向けのプログラム始まる

シアトルのスタートアップPixvanaは、VRを活用した「ヘルスケアプログラム」を発表しました。「ヘルスケアプログラム」の対象は、高校生たちです。このプログラムを活用して、思春期特有の鬱や不安といった症状を改善することを狙いとしています。

VR Intervention for Depression from Pixvana on Vimeo.

思春期に伴う鬱や不安の改善が目的

Pixvanaは2015年に設立したスタートアップです。VR動画のストリーミング再生を実現するためのクラウドベースのプラットフォーム開発を手がけており、VRビデオの加工から、VRビデオのクラウドへのアップロードまでを包括的に行える8KVRビデオ編集ソフト「SPIN Studio」の開発を行っています。これまでに計2,000万ドル(約23億円)を資金調達しています。


「ヘルスケアプログラム」は、専門のカウンセラーたちが運用することを前提に開発されています。思春期に伴って生じる子供たちの鬱や不安の症状を改善するため、「Growth Mindset Training(誰もが自分を高めることができるマインドセットを養う思考トレーニング)」を身につける支援を行います。「ヘルスケアプログラム」の受講場所は、学校の教室が想定されています。

「ヘルスケアプログラム」の映像は、ティーンエージャーがどのような状況で鬱になってしまうのかを描写します。そしてそういった状況の対処法をレクチャーし、生徒たちに乗り越える力があることを伝えます。2018年現在、映像はまだ未完成です。Pixvanaによると完成品は4つの分岐する物語が展開されるとのことです。

https://www.youtube.com/watch?v=LKje-VeA4Jk

Pixvanaはこのヘルスケアプログラムの開発を、ヘルスケア領域向けのVRヘッドセットを展開している「Limbix」と共同で進めています。VRで使用される映像の撮影は、3D360度カメラ「YI HALO VR Camera」と17機のカメラモジュールの組み合わせで撮影されます。

幼少期からテクノロジーに親しんだ子供たちは、デバイスを通したコミュニケーションで、よりリラックスする傾向があることが、ワシントン大学が行った調査で判明しています。今回の「ヘルスケアプログラム」も、学校でVRを使用することで、同様の効果が生じることが期待されます。

(参考)GeekWire


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