3月29日、AR技術開発のスタートアップであるOQmentedは2,000万ドル(約26.5億円、2023年3月30日時点)を調達しました。本調達にはシャープも参加。両社は、技術提供を含めた戦略的協業を目指します。
本調達はシリーズAラウンドで実施されました。Salvia、Vsquared Venturesなどの既存投資家らが参加しています。
ARデバイスに埋め込める表示装置を開発
OQmentedは、2018年設立のスタートアップ。ドイツ北部の都市イツェホー(Itzehoe)に拠点を構えています。同社はARデバイスのディスプレイ関連技術を研究し、小型の「LBSライトエンジン」を開発しています。
「LBSライトエンジン」は、「MEMS(※)」と呼ばれる微細なデバイスを軸に、3Dセンシング技術と高性能レーザーを独自技術で統合したもの。これをメガネのつる部分に埋め込むことで、ディスプレイへの照射表示が可能になります。同社によれば「少ない消費電力と軽量、高輝度を特徴とし、屋外での使用に適している」とのこと。
(※MEMS……Micro Electro Mechanical Systems/微小電気機械システム)
シャープの知見を活用し技術革新を目指す
本調達に際し、OQmentedのCEO兼共同創業者であるThomas von Wantoch氏は「大手テック企業やその他のプレイヤーは、最終的にスマートフォンに取って代わることができる消費者向けARグラスを実現しようと競い合っています。私たちの製品には圧倒的な需要があり、調達資金を利用して、私たちのLBSライトエンジンを市場に投入する準備を加速させる予定です」とコメントしています。
同社は今後、開発中の「LBSライトエンジン」にシャープの専門的な知見を応用し、さらなる技術革新を進める予定です。
また、米国とアジア市場への拡大を視野に入れつつ、新たな従業員雇用と事業開発チームの強化、オフィスおよび研究所の拡張を目指します。