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業界動向 2019.03.20

VR/AR標準化「OpenXR」の暫定仕様が公開 Oculus等2019年内対応

様々なVR/ARプラットフォームでのデバイス・アプリ間の仕様を標準化する「OpenXR」の暫定仕様が公開されました。Epic GamesやOculus等の業界企業が、年内の対応開始を表明しています。

OpenXRとは

OpenXRは様々なVR/ARプラットフォームでのデバイス・アプリ間の仕様を標準化する取組です。関連企業から構成される組織クロノス・グループにより、策定が進められています。

OpenXRにより標準化が進むと、アプリケーションデベロッパーは、現在はデバイス毎に必要となっている、アプリのコード調整が不要になります。デバイスメーカーはどのランタイムにも対応可能になり、一方VR/ARランタイムベンダーも対応できるアプリとデバイスが増加します。

取組を進めるOpenXRワーキンググループは、2017年初めに結成されました。その後参画企業を拡大し、2018年8月SIGGRAPH 2018にて初めてデモを公開。2019年に入ってからは同年3月にGDCでアップデートを行うとしており、今回の発表に繋がりました。

今回の公開と合わせ、既にマイクロソフトのWindows Mixed Reality(MR)ヘッドセット等が開発者向けに対応を開始しています。またEpic Gamesのゲームエンジン「Unreal Engine」やOculusも、2019年中のサポートに向けて進めています。

クロノス・グループのニール・トレベット氏は今回の暫定仕様の公開にあたり、「業界企業が進んで参画しているのは素晴らしいことだ」と話しており、OpenXRへの各企業の熱量が高いことが伺えます。

参画企業のコメント

Epic Games CEO Tim Sweeney氏

「Epicは、OpenXRのようなオープンスタンダードが、活気立つマルチプラットフォームVR/AR業界にとって今後数年で不可欠な基盤になると考えています。当社は昨年のSIGGRAPHで業界初のOpenXRデモを紹介しました。今回GDCでのリリースで、エコシステムが一層拡大するのが楽しみです。当社はUnreal Engine 4でのOpenXR対応を進めていきます」

Oculus創業メンバー、フェイスブックVR製品責任者 ネイト・ミッチェル氏

「フェイスブックとOculusは、OpenXR標準がユーザーやデベロッパーにもたらす価値を強く信じています。当社は今年後半にOculus RiftとQuestにて、OpenXR 1.0に基づくアプリのランタイムサポートを開始予定です」

マイクロソフト テクニカルフェロー アレックス・キップマン氏

「マイクロソフトは、MRの発展のためには皆にオープンであることが不可欠だと考えています(中略)今年はOpenXRの公開に合わせて、Windows Mixed RealityとHoloLens 2の対応に注力しています」

新仕様は、クロノスのWebサイトで公開。現在は暫定仕様のため、正式公開に向けて全世界の開発者からのフォードバックを募集しています。こちらのフォーラムから送ることができます。

(参考)Khronos Group


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