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業界動向 2019.01.24

VR/ARの標準化を目指すOpenXR、3月のGDCで次の報告へ

GoogleやHTC、Intelなどを含むVR関連事業に携わる多くの企業が開発に参与する、VR/ARの新標準規格OpenXRの開発プロジェクトの開発主任に、IntelのBrent Insko氏が新たに就任しました。Insko氏は、IntelのVR部門で主任ソフトウェア開発者でOpenXRにはプロジェクトの始動当初から参加している人物です。

2019年3月に何らかの報告が行われることになっており、標準化への進展に期待が寄せられます。

OpenXRの開発チームは、プロジェクトが始動した2016年以降、Epic GamesのNick Whiting氏が開発主任を務めていました。同氏は2018年8月にOpenXR開発主任から退任し、後任人事に注目が集まっていました。

OpenXRとは

OpenXRは様々なVR/ARプラットフォームでのデバイス・アプリ間の仕様を標準化する取組です。関連企業から構成される組織クロノス・グループにより、策定が進められています。クロノス・グループはこれまで、グラフィックスAPIのOpenGLやVulkanなどを策定してきました。

OpenXRにより標準化が進むと、アプリケーションデベロッパーは、現在はデバイス毎に必要となっている、アプリのコード調整が不要になります。デバイスメーカーはどのランタイムにも対応可能になります。VR/ARランタイムベンダーも、対応できるアプリとデバイスが増加します。

開発の進行に影響は無し

Insko氏とWhiting氏は共同声明で、今回の人事異動はOpenXRの開発に影響を及ぼすものではないと説明し、同時にOpenXRの次の開発進捗状況の報告日も公表しました。両氏の説明によるとOpenXRの次の開発進捗状況の報告は、2019年3月19日から開催予定のGDC 2019で行われるとのことです、

Insko氏とWhiting氏のコメント

Insko氏は、自身の就任について以下のようにコメントしています。

「これまでチームを率いてきたNick(Whiting氏)に敬意を表すると共に、新開発主任としてOpenXRの開発とリリースに携わっていくことを楽しみにしています」、「現在(OpenXRの開発には)30を超える企業が携わっており、皆がVRやARアプリに関連する複雑性の問題を排除しようと奮闘しています」

Whiting氏も、自身の退任とWhiting氏の開発主任への就任について、コメントを発しています。

「2年近い期間に渡ってOpenXRの開発チームを率いてきたことを、私は誇りに思います。(自身が所属する)Epic Games内での新プロジェクト始動に伴い、私はこれが(OpenXR開発主任の)役職を辞するタイミングであることを自覚しました。そしてBrent(Insko氏)が選出されたのです」「OpenXRは、Brentと優秀な開発チームに託されました。Epic Gamesは(私の退任に関係なく)OpenXRへの参与を継続します。開発支援のためUnreal Engine 4の提供も続け、開発ミーティングへの参加も引き続き行います」

(参考)Road to VR

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