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テック 2018.09.27

Oculusの基調講演でのQuest、Rift、Goに関する発表まとめ【OC5】

2018年9月26日(日本時間27日)、Oculusは開発者向けイベントOculus Connect 5(OC5)の基調講演ににて同社の製品やプラットフォーム、ソフトウェアに関する新情報を多く発表しました。

本記事では発表内容をまとめてお伝えします。

ハイエンドVR体験を実現する一体型デバイスOculus Quest

なんといっても今回のOC5の主役は「Oculus Quest」でしょう。基調講演冒頭で登壇したFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏が発表した「Oculus Quest」は、自由に動き回り、手も動かせるハイエンドな一体型VRヘッドセットです。価格は、両手用のコントローラーを同梱して399ドル(64GBモデル)と比較的安価です。

ザッカーバーグ氏はVRの普及の最初の段階で重要なハードウェアの要件として3つのポイントを挙げ、それを満たすデバイスとしてOculus Questを発表しています。

・PCやスマートフォンを使わない「一体型」であること
・手を自由に動かせる「ハンドプレゼンス」があること
・自由に動ける「6DoF」であること

一体型VRヘッドセットはこれまでも登場していましたが、自由に動き回れてても動かせる、完全に6DoFを実現した一体型のVRヘッドセットは世界初となります。スピーカーを内蔵し、ヘッドホンは不要です。

活用に幅のあるトラッキング形式やMRモードを搭載

6DoFを支える前面の4つのセンサーは「Oculus Insight」と名付けられたトラッキングシステムで現実世界の構造をスキャンしています。このOculus Insightにより、外部センサー不要で位置のトラッキングが可能となっています。広大な空間を設定することで、Oculusは将来的に「アリーナスケール」の体験ができるとしています。

また、現実世界の構造をVRで見ることもできる「MRモード」も将来的な実装を計画しています。このMRモードが実装されると、現実とVRをヘッドセットをつけたまま行ったり来たりすることが可能になります。

Oculus Questは50以上のローンチタイトルとともに、2019年春に発売されます。言及されたのはPC向けのRift向けに提供され高い評価を得ていた「Robo Recall」や「The Climb」、「Moss」などの作品。また映画のスター・ウォーズシリーズから「Vader Immortal」の第1作目が登場するなど、タイトルにも注目したいところです。

Oculus Rift

PC向けのOculus Riftに関しては、新規コンテンツの紹介とホームUIの機能拡張についての発表が中心となります。次世代デバイスの発売時期等についての言及はありませんでした。

数作作ってきた有力なスタジオの新作

これまでRift向けにいくつかのゲームを作ってきたスタジオが新たに制作したソフトが数本紹介されました。

・Lone Echo 2

・Space Junckies

・Vox Machinae

Home、Dashの拡張ー2次元アプリをVRに最適化するHybrid Apps

Riftのホーム画面とも言うべき「Home」では置けるアイテムの種類が大幅に拡張する、カスタムオブジェクトが導入されるなど、より「自分の部屋」としてカスタムする機能が増えることになります。

VR内でPCのデスクトップを呼び出すことができる「Dash」では、より使い勝手を向上させるための改善が行われています。

そしてDashの機能の中で目玉として発表されたのが「Hybrid Apps」という新機能です。この「Hybrid Apps」は、普段PCのモニター上で操作しているソフトウェアのユーザーインターフェースをVRに持ってきつつ、3DモデルをVRでも展開して直感的な操作を可能にする機能です。たとえば、3Dモデリングツールの場合、操作UIはモニターと同様ですが、モデルそのものはVR空間に浮いており、これまでマウスやキーボードを使って調整していた、手を掴んで回したり、色をつけたりといったモデリングがVRの中で3次元の作業空間でできるようになります。Allegorithmic Labs社のツール「Substance Painter」をVR空間で操作する様子が動画で配信されています。

「Home」と「Dash」の新機能を含むRift Core 2.0ベータ版は発表時点から開発者向けに提供中。本実装は未定です。

Oculus Go

2018年5月に発売されたばかりの一体型VRヘッドセットOculus Goに関してもアップデートとなる情報が明らかになりました。Oculusは、Oculus Goの全ユーザーのうち80%が同社のプラットフォームの新規ユーザーだというデータを明らかにしました。

VRの様子をディスプレイに映すキャスト機能

Oculus Goで課題とされていた「キャスト機能」がついに実装されることが発表されました。キャスト機能は、TVやモバイル機器にVRを体験している人の視点の映像をリアルタイムで映し出すことができます。これにより体験中の様子がより周囲の人に伝わりやすくなります。実装時期は2018年10月上旬です。

YouTube VRが登場

Oculus GoではNetflix VRなど映像を見るアプリが人気を集めています。世界最大の動画配信プラットフォームであるYouTuberのVRアプリが登場します。「YouTube VR」では、すでにYouTuberに配信されている80万本以上のVR向け動画を見ることができます。

VR同時視聴アプリ「Oculus Venues」はNBAなどコンテンツが拡充

2018年5月からOculus Goなどに向けて提供されているVR中継を見るアプリ「Oculus Venues」は、これまでライブコンサートやスポーツの試合が配信されてきました。配信するコンテンツの幅がさらに拡充されることが発表されました。

2018年秋からは全米で絶大な人気を誇るバスケットボールNBAの放送やライオンズゲートの映画を鑑賞する放送が始まります。

https://www.oculus.com/blog/announcing-the-oculus-venues-fall-lineup-nba-games-hit-movies-comedy-nights-and-more/

※QuestのアリーナスケールとMRモードに関する記述を修正しました。


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