Home » フェイスブックの法人向けVRサービス「Oculus for Business」、Oculus Goは対象外に


業界動向 2020.01.22

フェイスブックの法人向けVRサービス「Oculus for Business」、Oculus Goは対象外に

フェイスブックの法人向けサービス「Oculus for Business」のサービス対象となるVRヘッドセットから、「Oculus Go」が削除されたことが明らかになりました。フェイスブックによれば、Goのエンタープライズ向けライセンスの提供などは今後も継続されますが、「Oculus for Business」の対象からは外されるとのこと。

Goの「エンタープライズ版」は提供継続

「Oculus for Business」は、ビジネス分野におけるVR活用を促進するためのプログラム。このプログラムを通じて利用されるVRヘッドセットは、ゲームストアなどの一般ユーザー向け機能をカットされます。一方で多数のデバイスを一括してセットアップする機能や遠隔操作、セキュリティ対策を搭載するなど、ビジネス利用における利便性・安全性を実現するものです。

2019年9月の「Oculus for Business」発表時点では、一体型VRヘッドセット「Oculus Go」と「Oculus Quest」がサービスの対象となっていました。しかし2020年1月22日現在、公式ウェブサイトのラインナップはOculus Quest向けサービスのみとなっています。

これに併せ、同サイトのFAQ欄には、次のような項目が追加されています。

Question:
なぜ「Oculus for Business」からOculus Goがなくなったのでしょうか?

Answer:
当社はエンタープライズ顧客のユースケースを想定し、プラットフォームの開発とテストを行ってきました。その結果、ハイエンドのグラフィック性能と深い没入感を持つOculus Questが、ビジネス向けVRのニーズを満たすベストの解であることが明らかになってきたのです。そこで当社は、プラットフォーム開発をQuest向けに注力すると決定しました。

Goは引き続きコンシューマー向けに提供されますし、また手頃な価格のため、VRを初めて使おうとする企業向けにも良い選択肢の1つです。Goを商用利用するためのエンタープライズ向けライセンス、及び保証とサポートなどは引き続き提供されます。しかし「Oculus for Business」のソフトウェアは付帯しません。

Questへの切り替え対応を実施、Goの位置づけはどうなる?

米メディアUpload VRが本件についてフェイスブックに問い合わせたところ、「Oculus Go向けプログラムの中止はベータ版開始後に決定した」とコメント。利用を開始していた少数のユーザー向けには、Questへの切替といった対応を取るとのことです。

同メディアは中止の背景について、Oculus Goの2つの欠点を指摘しています――1つは、Goでは移動ができず、頭の回転のみに対応する「3DoF」のトラッキングである点です。そしてもう1つはコントローラー。Goのコントローラーは物をつかむ、離す、といった手の動きを再現するというよりも、レーザーポインターのように使う仕様であり、Questに比べてできることの幅が小さくなっています。

Oculus Goは2020年1月に値下げを実施し、32GBモデルが199ドルから149ドル(日本向けの価格は23,800円から19,300円)となりました。様々なデータからOculus Questの好調が明らかとなりつつある現在、Oculus Goをどのように位置づけるのか――。フェイスブックの動きが注目されます。

(参考)Upload VR


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード