「Oculus」創設者のパルマー・ラッキー氏が「新XRデバイスを数週間以内に発表する」と予告しました。同氏が創業した防衛技術企業Anduril Industriesを通じて発表される可能性が高く、軍事利用を主な用途とすることが示唆されています。
この予告は、ある開発者の「MetaのQuest関連アプリのダウンロード数が前年比27%減少した。パルマー・ラッキー氏からジョン・カーマック氏に至るまで、VRの先見者たちは皆、(業界を)乗り換えてしまった」というX投稿が発端となりました。
ラッキー氏はこの投稿に、「数週間後に私が発表する内容を見て、私このゲームから離脱したと思うかどうかを確認してみて」と返信しました。なお、減少の根拠とされた数字はMetaのスマートフォンアプリ「Meta Horizon」に関するものであり、XRアプリ全体の動向を示すものではありません。
Alright VR fam. We need to talk.
Quest app sales are down 27% year over year. The FReality podcast just shut down. The visionaries of VR have all jumped ship, from @PalmerLuckey to @ID_AA_Carmack. What we’re left with is @finkd and Meta, subsidizing the entire industry, throwing…— Blair Renaud // LOW-FI 🟥🟧⬛ (@Anticleric) January 19, 2025
ラッキー氏は2024年6月に、軍事用途を見据えた新しいXRヘッドセットを開発していることを既に発表していました。このデバイスは軍事用途を主眼としながらも、コンシューマー用途にも対応する可能性があるとされています。
ラッキー氏は2012年、19歳でOculusを創業し、現代のVR市場の先駆けとなる「Oculus Rift DK1」を開発。2014年には、Metaによる20億ドル以上での買収を経験し、その後同社を退社、2017年に防衛技術企業Anduril Industriesを設立しました。
同社は最新技術を活用した防衛システムの開発を手がけており、2019年の時点で企業価値10億ドル以上のユニコーン企業に成長しています。近年は米軍の複合現実統合視覚増強システム(IVAS)向けのソフトウェア「Lattic」開発に注力。「Lattic」はマイクロソフトのMRヘッドセット「HoloLens 2」をベースとしたIVASシステム上で動作し、戦場での標的認識や脅威の可視化を可能にします。
なお、ラッキー氏は2024年10月にMeta本社を訪問し、同社のCTOであるアンドリュー・ボズワース氏から公式な謝罪を受けています。これは2017年のMeta退社に関連する出来事で、両者の和解を示す象徴的な出来事となりました。その際、ラッキー氏はMetaの開発中ARグラス「Orion」も体験したことを報告しています。
(参考)Road to VR
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